連載コラム

第56回 独立される方のためのFC加盟の心得

[ 2013年7月24日 ]

 フランチャイズ・チェーンへの加盟を考えている方の中には、これまで自ら事業を行ってきたことがなく会社を退職して初めて事業を始めようとする脱サラの方も多いと思われる。日本国内にはコンビニエンス・ストアをはじめとする様々な分野において、フランチャイズ(FC)事業が広がっている。これら既存のFC店を街中で目にし、また利用することで、自分でもFCに加盟することで事業を成功させるといったイメージを膨らませている方もいるであろう。
 しかしながらFC加盟さえすればうまくいくといった考えだけでは、実際に事業を開始した時にイメージと現実とのギャップが生じることにもなりかねない。「こんなはずではなかった」とならないためにもしっかりとした事前準備が必要である。

加盟店の事業者でも独立した事業者であることに変わりはない。

 加盟店の経営者は独立した事業者であるという認識をしっかり持って、最低限必要な知識を身に着け、経営センスを磨くことが求められる。特にこれまで会社勤めをしてきた脱サラ経営者にとっては全てのことが初めての経験で、開業後に知らなかった問題に多く直面することになる。例えば支出ひとつとっても案外知らない制度も多いかもしれない。
 日々の業務に追われながらこれらの問題に一つ一つ対応していくのは大変な労力を必要とする。事前に少しでも知識を有していればそれだけで精神的にも大分余裕が生まれるのではないだろうか。


FC加盟は個人or法人?

 FC加盟の際は個人事業者もしくは法人として契約することになる。経済産業商務情報政策局が実施した調査によると、業種全体では「個人加盟」が38.3%、「法人加盟」が45.8%となっている。「個人で加盟した後法人化」も含めると法人での加盟が約60%となっている。

出所:経済産業省商務情報政策局サービス政策課「フランチャイズ・チェーン事業経営実態調査」平成20年3月



 では個人で加盟する場合と法人で加盟する場合とではどのような違いがあるのか。法人化のメリット、デメリットをまとめたのが下の表である。

 法人化した際のメリット・デメリットはそれぞれ複数あり、個人か法人の選択をする場合は個別によく検討しなくてはならない。個人の高額所得者にとっては、法人化することで所得の分散を図ることができるので、法人事業を選択した方が、手間やコストがかかる以上に税制上のメリットがあるといえる。また法人加盟であれば、自身が引退をする際に株式の譲渡という形で円滑に事業を承継できることも考えられる。
 売上見込みが立てにくい場合は、まずは個人で加盟し、その後の事業拡大とともに法人化を考えてもよいであろう。消費税については、法人設立後2年間納税義務が免除される(会社設立時の資本金が1,000万円未満であるなど要件による)ので、タイミング良く法人化することで節税を図りたい。

事業の成功をイメージしながら事業計画を策定してみよう!

 事業を始めるにあたっては、是非自らが事業計画を作成していただきたい。事業計画は自らが調査し分析を行うことに意義があり、そういった時間を作ることで経営者としての自覚も生まれてくるのではないだろうか。
 また借入をする際も事業計画を作成することは必要不可欠である。事業計画をあらかじめ作成し、どれくらいの借入れが必要になるのか、また無理のない返済計画を把握しておかなくてはならない。計画もなく適当な金額で借入を起こしてしまうと、途中で資金がショートしたり、逆に借入金額が多すぎると返済で経営を圧迫したりしまうといった事態に陥ることも考えられる。
 事業計画はこんな事業にしたいという経営者の想いをかたちにするものである。これから事業を開始しようという方は、自分が経営者として成功している姿に思いを巡らせながら事業計画を策定してみてはいかがであろうか。

税理士 高橋雅仁

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執筆者:フランチャイズ研究会

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