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連載コラム

第59回 粉もの(お好み焼き・たこ焼き・クレープ)FCの最新トレンド

[ 2013年9月30日 ]

老若男女を問わず多くの人に人気のお好み焼きやたこ焼き、これにクレープに代表されるフランチャイズビジネスは、いわゆる「粉もの」FCと呼ばれている。最近人気のパンケーキについてもフランチャイズ化の動きが見られ、今回この「粉もの」FCのトレンドに着目した。

粉ものの消費動向

 お好み焼き、たこ焼き、クレープ等のいわゆる「粉もの」の原料のベースは小麦粉である。
この小麦粉の消費者動向を総務省「家計調査」から見てみる。
同統計によると、1世帯当たりの小麦粉の支出金額は、平成20年に前年から20.9%上昇しているが、これは、原材料の小麦価格の影響によるところが大きい。しかしながらその後はほぼ横ばいで推移し、直近平成24年は前年から2.5%伸びている。これは消費者の食の多様化、節約志向、簡便嗜好などともあいまって、お好み焼きやたこ焼き、麺類といった小麦粉を使った食事が消費者に定着してきていることがうかがえる。
 ちなみに地方別にみると、お好み焼きやうどんの消費が高い関西以西の支出金額が高いが、それ以外でも伸びている地域もあり、全国的に小麦粉の支出金額が増えていることが推察される。

<1世帯当たりの小麦粉支出金額推移 総世帯及び地方別>

粉ものFC業界動向

粉ものFC業界の動向を、日本フランチャイズチェーン協会の統計データ過去5年分から見てみる。 
ただし統計では、粉ものFCはその他ファーストフード(サンドイッチ、フライドチキン、ドーナツ、うどん、お好み焼き・たい焼き店等)に分類され、他のファーストフード業態も含まれていることを承知願いたい。
下記の図表を見ると、2008年のリーマンショック以降、チェーン数及び売上高は減少したものの、店舗数は拡大傾向にある。この数字が粉ものFCの動向を全て示している訳ではないが、昨今の粉ものFC大手チェーンによるロードサイドやフードコートへの店舗出店が加速してきたことがひとつの要因と推察される。

<その他ファーストフードのチェーン数、店舗数、売上高推移>

粉ものフランチャイズビジネスについて

 粉ものフランチャイズビジネスは、飲食業フランチャイズビジネスとしては比較的取り組みやすい業種と言われている。そのひとつの理由に開業に伴う初期投資が比較的低いことが挙げられる。ちなみに「日本のフランチャイズチェーン2006」に見る加盟金・保証金・開業資金の平均値では、飲食業フランチャイズ平均が、加盟金203万、保証金108万、モデル開業資金2,563万のところ、粉ものFC(お好み焼き・たこ焼き・クレープ)の平均は、加盟金156万、保証金105万、モデル開業資金1,513万となっていた。
もちろんお好み焼きとたこ焼き、クレープは一般的に店舗坪数も異なるため開業資金も一律ではないが、全般としては初期投資が比較的低い(投資回収期間が短い)フランチャイズビジネスといえる。
 別の理由としては、小麦粉やキャベツが原材料の中心のため原材料費が低く抑えられる、また例えばお好み焼きでお客様にテーブルで焼いてもらうスタイルを取る場合は人件費を抑えられるなど、粉ものFCはFLコスト(原材料費+人件費)を低く設定することで高い営業利益を確保しやすいことが考えられる。
 一方で商圏が比較的狭いビジネスのため立地選定は非常に重要である。
立地パッケージとしては、お好み焼きは店舗面積50坪程度の店舗をロードサイドに展開するパッケージと、繁華街やショッピングモールに展開する小型のパッケージがある。たこ焼きやクレープはショッピングモール展開や移動販売形式などがある。

最近の各チェーンの動向

 お好み焼きの大手チェーンの「大阪梅田 お好み焼本舗」では、商圏人口を都市人口10万人以上、店舗井面積50坪、敷地面積300坪を標準として郊外ロードサイド店舗の出店を加速している。たこ焼き最大手チェーンの「築地銀だこ」では積極的な業態開発をすすめている。今年6月からは築地銀だこ宅配専門店1号店をオープン。たこ焼きとから揚げや焼きそばなどのサイドメニューを宅配し、昨今のデリバリー需要に応えている。ただし現在新規のFC募集は休止している。
 最近の粉もので注目したいのは「パンケーキ」ビジネスである。昨今のパンケーキブームは、ハワイで人気の「カフェカイラ」や、世界一の朝食とうたう「bills」などが牽引しているが、大手FCチェーンが参入し始めている。前述の「築地銀だこ」を運営するホットランドでは、朝食"から"ディナー"まで楽しめることをコンセプトとしたパンケーキハウス「Pancake&Cafe FOREST」をオープン。居酒屋などを展開するジェイグループホールディスは6月にパンケーキカフェ「88hiuithuit(ユイットユイット)」をオープンした。「パンケーキ」FCを始め、今後も粉ものフランチャイズビジネスは活況が続くのではないかと展望している。

(中小企業診断士 金田政寿)

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執筆者:フランチャイズ研究会

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