連載コラム

第60回 アイスクリームチェーン

[ 2013年11月1日 ]

 アイスクリームチェーンは1974年に日本に上陸し、今年40周年となった。現在はデザート系ファーストフードのジャンルとして確固とした市場を形成しているが、これまで海外から様々な新規チェーンの参入・撤退を経て、発展してきた。
アイスクリームフランチャイズチェーンの現状に注目してみたい。

アイスクリーム市場の動向

 日本アイスクリーム協会によると、2012年度のアイスクリーム類の市場規模は4,181億円(前年比103%)と推定されている。長引く不況の影響で縮小傾向の業界や市場が多い中、アイスクリーム市場は、ここ10年間で26%も規模が拡大している。
 そもそもアイスクリームは、女性や子供に人気の高い菓子であったが、①近年のコンビニエンスチェーンの店舗拡大による購入機会の増加②メーカーのマーケティング強化による新商品提案、容器やサイズ、価格等の選択肢の拡大等により、幅広い層に受け入れた結果、市場が拡大してきた。また、近年の地球温暖化による平均気温の上昇も、購入機会増加の一因かもしれない。いずれにせよ、老若男女を問わず、現代人の手軽な日常嗜好品として定着している。

 農畜産業振興機構HP内の「最近のアイスクリーム事情」によると、今後拡大する高齢者市場向け等のバラエティある商品開発や顧客へのアピール、売場作りの工夫により、キング・オブ・デザートとして、将来的には5000億円の市場が見込めるとの考えが示されている。

<アイスクリーム類及び氷菓販売金額の推移>

アイスクリームフランチャイズ業界

 前述のように、アイスクリームチェーンは、1974年、「サーティワンアイスクリーム」の日本上陸によりスタートしている。その後、1984年に「ハーゲンダッツ」が、1985年に「ホブソンズ」が開店し、長蛇の行列になる等、一時、アイスクリームショップが大きなブームになった。

 しかし、90年代には①菓子等嗜好品の多様化②消費者の健康志向による高カロリー商品としての敬遠③競争激化、安売り等でメーカーが疲弊したことによる商品魅力の減少、等により、アイスクリームそのものの魅力も低下し、各社の業績低迷につながった。

 2000年に入ると、「サーティワンアイスクリーム」が、フランチャイズ店の収益改善を目的に食材原価の値下げを実施しつつ、地方のショッピングセンターへの出店をすすめ、業績改善を果たした。また、2005年に上陸した「コールド・ストーン・クリーマリー」により、エンターテイメント性をもった「ミキシング・アイス」のジャンルが確立され、再びアイスクリームショップが注目されるようになった。

 日本フランチャイズチェーン協会の統計資料によると、大手中心の業績好調により、2003年から、アイスクリームフランチャイズ業界の店舗数、売上高とも順調に拡大してきている。2011年実績では、売上高427億円、店舗数1389店となっており、2003年と比較すると、売上高84%増、店舗数87%増、と大きく伸長している。

<アイスクリームフランチャイズ店舗数と売上高の推移>

最近の主要チェーンの動向

 近年のアイスクリームチェーン業界は、「サーティワンアイスクリーム」の独走となり、他のチェーンの苦戦や撤退がやや目立っている。
 「レインボーハット」、「マーベラスクリーム」の2社は経営破たんし、現在、別会社が事業を継承している。また、「ディッピンドッツ・アイスクリーム」は販売会社に事業譲渡した。「ハーゲンダッツ」も2013年にショップ事業から撤退し、小売に集中している。
 しかし、ホームページを見てみると「ドナテロウズ」「ホブソンズ」「マーベラスクリーム」「ブルーシール」等は、フランチャイズ募集も行い、成長市場の中で店舗拡大をすすめている。また、新しいブランドの動きも見られる。2012年にユニリーバ・ジャパンが、米国アメリカのバーモントで創業されたプレミアムアイスクリーム「ベン&ジェリーズ」の展開をスタートしており、その動向も注目していきたい。

<主要チェーンの店舗数・売上高>

(中小企業診断士  山岡雄己)

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執筆者:フランチャイズ研究会

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