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連載コラム

第61回 JFA「フランチャイズチェーン統計調査2012年度」

[ 2013年11月27日 ]

 2012年度のFCビジネスに関する統計データが日本フランチャイズチェーン協会(JFA)から発表された。フランチャイズチェーン全体の概要としては、売上高は22兆2,286億円で前年比2.8%増(対前年6,120億円増)となり、前年に引き続いて3年連続のプラス成長となった。チェーン数は1,286チェーンで前年比2.1%増(対前年26チェーン増)、店舗数は24万5,263店舗で前年比2.7%増(対前年6,425店舗増)となった。全体の店舗数と売上高が増加した要因として、大手コンビニエンスストアが引き続き積極的な出店を行ったことや、持ち帰り弁当の大手数社が出店を加速したことがあげられる。
 統計資料は以下、JFAのHPを参照のこと。
http://www.jfa-fc.or.jp/folder/1/img/20131025113325.pdf

(1)小売業

 小売業全体では、8チェーンの増加、店舗数は前年比3.8%増(対前年3,561店舗増)、売上高は前年比2.6%増(対前年3,990億円増)となった。
 コンビニエンスストアは、前年に引き続き出店を行ったことで、店舗数が前年比5.5%増(対前年2,613店舗増)、売上高が前年比3.9%増(対前年3,511億円増)となり、小売業全体の売上高を押し上げる要因となった。高齢者や働く女性など新たな顧客を掘り起こして客層を拡大させており、今後も新業態を含めた出店が続くと見込まれる。最大手のセブンイレブンは40周年を迎え、「コンビニ飽和論」に挑む形で店舗数を拡大した。2013年3月には四国で1号店をオープンするなど、今後も出店を加速していく。また、インターネットで販売した商品を店舗で受け取るサービスなどネットと実店舗の連携を強化しており、顧客とのあらゆる接点を連携させて拡販する「オムニチャネル化」が進んでいる。
 ドラッグストアおよびリユース業でも大手の積極的な出店が行われており、市販薬、調剤事業、PB商品を拡充させることで売上増加を図っている。一方、家電量販店は業界再編が進んでいるものの、地デジ化やエコポイント政策の反動や低価格でのネット販売の競合により、業界全体での売り上げが昨年に引き続き減少傾向にあり、今後の業界動向が気になるところである。

(2)外食業

 外食業全体では9チェーンの増加、店舗数は前年比3.6%増(対前年1,975店舗増)、売上高は前年比3.7%増(対前年1,386億円増)となった。店舗数と売上高が増加となった要因として、震災からの影響から抜け出し、フランチャイズ募集を一時中止していた複数の大手チェーンが募集を再開したことがあげられる。
 震災以降、家庭内での節電が行われ、家庭で火を使った調理が減少していることから弁当やフライなどの中食・惣菜市場が伸びる傾向にある。持ち帰り寿司・弁当店では大手数社が出店を加速するなど店舗数が前年比12.3%増加(対前年902店舗増)し、売上高は前年比13.7%増(対前年473億円増)と大きな伸びを見せた。
 コーヒーショップでは、前年度のマイナスから売上高は前年比1.9%増(対前年55億円増)となったが、セブンイレブンが2013年1月に販売を開始した、高品質低価格の「セブンカフェ」などのコンビニコーヒーの影響により、低価格で商品を提供するチェーンは売上が伸び悩んだ。一方、ハンバーガー店では、最大手のマクドナルドの低価格戦略が裏目に出たことによる客単価及び客数の減少などが影響し、店舗数と売上高が減少する結果となった。
 外食業全体は、外食チェーンによる新業態の開発や参入の動きも活発であり、今後の事業拡大を見据えた動向が注目される。

(3)サービス業

 サービス業では、9チェーンの増加、店舗数前年比1.0%増(対前年889店舗増)、売上高前年比2.9%増(743億円増)となった。サービス業は消費者ニーズの多様化によって、幅広い分野でフランチャイズ化が進んでおり、2012年度も昨年と同様に少子高齢化や健康志向を反映させた教育事業や介護関連事業でフランチャイズ化が進行した。
 教育サービス各社は専門性の高い学校を相次いで開校しており、医学分野・私立中学校向け・海外の大学向けなど、受験生を確保するための差別化を図っている。また、学習塾は集団指導から個別指導への移行や、スマートフォンを利用した映像講義などを増やすことにより業績を伸ばしている。
 介護に関しては、2012年4月より介護保険制度の見直しもあり、利用者が増加したことによる稼働率上昇で、訪問介護・通所介護を中心とした介護保険適用型のサービスの伸びが顕著となっている。
 会話や趣味等の娯楽施設、健康目的の運動施設、コミュニティ型の新サービス提供施設も増加傾向であることから今後の動向にも注目していきたい。

<2012年度 「JFAフランチャイズチェーン統計調査」>

2012年度 「JFAフランチャイズチェーン統計調査」

(中小企業診断士 金子敦彦)

最新フランチャイズマーケットトレンド
執筆者:フランチャイズ研究会

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