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第76回 外国人労働者 雇用上の留意点と戦力化のポイント

[ 2015年2月27日 ]

 小売店や飲食店などで、外国人労働者が多く見られるようになって久しい。外国人労働者は年々増えており、厚生労働省の平成25年10月末での「外国人雇用状況の届出状況」を見ると、外国人労働者数は717,504人。平成19年に当該届出が義務化されて以来、初めて70万人を超え、過去最高となった。また、外国人を雇用している事業所についても12万箇所を超え、やはり届出義務化以降最高の結果となっている。
 その主な要因は、政府が進めている高度外国人材や留学生の積極的な受け入れによるものだが、2020年にオリンピックが開催される影響で、今後も事業所や外国人労働者の増加が見込まれている。そこで本稿では、企業や店舗などで外国人留学生を労働者として雇い入れる際に、留意しなければならない点について見ていくことにする。

●外国人労働者の採用と雇用上の留意点

①在留資格の種類

 日本に滞在する外国人は、日本での労働許可があって初めて働くことが出来る。しかしこれは在留資格の種類によって、労働できる条件などが変わってくる。この中で、フランチャイズチェーンに関わるものとしては、「留学」が一番多いと思われるが、この場合は、管轄の入国管理局で「資格外活動許可」を受ける必要がある。採用するときに、在留カードの在留資格と、パスポートの資格外活動許可証を必ず確認することが大事だ。

引用:法務省 入国管理局「不法就労防止にご協力ください」
引用:法務省 入国管理局「不法就労防止にご協力ください」
http://www.immi-moj.go.jp/seisaku/pdf/fuhoushurou.pdf

②勤務時間

 「留学」の在留資格で、資格外活動許可を受けている場合、スタッフとして働くことは可能だ。しかし、原則28時間以内と勤務時間に制限があるため、シフト作成時に28時間を超えないように注意する必要がある。なお、留学先の教育機関(日本語学校、専門学校など)が夏休み等の長期休暇の期間中は、1日8時間まで働かせることが出来る。

③在留期間や資格外活動許可証の更新時期に注意

 在留カードの在留期間内であること、また、資格外活動許可の「許可制限」欄に記載された日付が期限内であることを確認する。一度資格外活動許可を取っても、在留期間の期限が切れて更新を行った場合には、再度資格外活動許可を取る必要があるため、注意が必要となる。

④雇用・離職時の届出

 雇用対策法に基づき、外国人スタッフを雇用した場合や、退職する場合には、氏名や在留資格などについて、公共職業安定所(ハローワーク)に届け出ることが義務付けられている。雇用保険の対象になるかならないかによって、届出時の書類や期限が異なるため、詳しくは厚生労働省の発行する、外国人雇用のルールについてのパンフレットなどを確認して、確実な届出を行うことが重要だ。怠ると、30万円以下の罰金が科せられる。

●戦力化のポイント〜日頃からこまめにコミュニケーションを〜

 以上、外国人スタッフの雇用上の留意点を見て来たが、採用時の届出だけきっちり行えば終わりかというと、決してそうではない。むしろ、彼らを採用してからいかに戦力化していくかが、事業の業績を左右すると言っても過言ではないだろう。
 彼らのほとんどは、慣れない日本語の壁にぶつかったり、文化の違いによるカルチャーショックを受けたりする。しかし、彼らはそれを学び、習得するために日本に来ている。文化が違うから、と敬遠せず、ぜひこまめにコミュニケーションを取るようにしたい。
 その際、いつもよりゆっくり話す、わかりやすい言葉を使う、粘り強く伝える、という配慮は必要だが、「外国人だから」とあまり特別扱いせず、業務を教えていくことが大事である。うまく出来たところはしっかりほめ、理解をしようとしない場合は、注意をすることもためらってはならない。
 外国人を積極活用しているところの多くは、彼らを短期間で戦力化すべく、上記の前向きなコミュニケーションに加え、「期待してるよ」「一緒に学ぼう」という姿勢を経営者だけでなく、全員が意識して実行している。

 外国人労働者は、今では多くの店舗で見られるようになっている。また、人員の確保や定着化が難しい小売店や飲食店では、彼らが欠かせない存在になっているところも多い。その際、正しい方法に則って雇用することが大切であるし、確保や定着化には、モチベーションを維持・向上できる接し方を常に心がけていくことが欠かせないだろう。

(特定社会保険労務士 安 紗弥香)

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執筆者:フランチャイズ研究会

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