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第81回 「第7回マカオ・フランチャイズ・エキスポ」参加レポート

[ 2015年7月30日 ]

 2015年7月3日から5日までの3日間、マカオ・フランチャイズ・エキスポが開催された。会場は例年のベネチアンホテルのイベントホールである。
 マカオ・フランチャイズ・エキスポは今年で7回目。我々、フランチャイズ研究会は、第2回からマカオ貿易投資促進局の招待を受け、毎年参加している。
 今年は、3日のパネルディスカッションにパネラーとして当研究会会長の伊藤が登壇することになり、前日の2日から伊藤会長を含む研究会メンバー5名がマカオに入った。

パネルディスカッション

パネルディスカッション

 パネルディスカッションは、台湾FC協会の会長、ポルトガFC協会の役員、韓国FC協会会長、ヴィ・ド・フランスマーケティング担当役員、当研究会会長の伊藤恭(中小企業診断士)の5名がパネラーとなって進められた。
 冒頭、司会進行役であるマカオ国際ブランド企業コマーシャル協会の副会長がマカオ経済の現状について、前年比30%程度の低下とのレポートがあり、その後台湾FC協会、ポルトガルFC協会からはそれぞれの国でのFCビジネスの現状、特に海外展開の現状についてのレポートがあった。
 当研究会の伊藤会長は、日本のFCビジネスの現状についての概略と、FCビジネスの海外展開についての成功要因についての提言をおこなった。

 中でも「出店地域におけるベストパートナーの選択」、「現地パートナーとの信頼関係の構築」の重要性を強く指摘した。このことは、それ以降の発言者が引用することになったが、最初から原稿を準備することの多いこうしたパネルディスカッションでは、前の発言者の内容をそのまま引用するケースはまれであり、「ベストパートナーの選択」「信頼関係の構築」がFCビジネスの国際展開における重要な要素になることが国際的な共通理解であることを再確認した。

 その他に興味深かったのは、ヴィ・ド・フランスのマーケティング責任者の発言であった。ヴィ・ド・フランスは日本では山崎製パンが100%株式を所有するFC本部として展開し知られているが、日本以外でも広く世界展開を行っているフランチャイザーである。彼によれば「ヴィ・ド・フランスはFCビジネスを行う会社であり、フランス国内では店舗展開をほとんど行っていない」という。このことは、FCビジネスの本質を考える上で示唆に富んだ事実だと思う。

展示会の概要

 マカオ・フランチャイズ・エキスポの出店者数は11か国、168社の出店、期間中の来場者は14,500人(主催者発表:公式facebook)とされているが、従来よりも出店者数、来場者とも減っている印象を受けた。(第6回は参加企業数134社、来場者数17,000人)
 フィリピンでは6月10日から14日まで「Franchise Asia Philippines 2015」が開催され、135社のFC本部及びFCビジネス支援企業が出店している。フィリピンとマカオの開催日が近いことは、日本からの出展企業がどちらを選ぶかという点で今後の検討課題になると思う。

■マカオ・フランチャイズ・エキスポ
http://www.mfe.mo/mfe2015/en

■Franchise Asia Philippines 2015
http://franchiseasiaphl2015.com.ph/

フランチャイズシステムの国際展開への展望

フランチャイズシステムの国際展開への展望

 日本のFC本部が海外展開を考える場合、現地企業に対する、あるいは合弁による「マスター・ライセンス契約」は有力な方法だが、いずれの場合でも、現地企業の選択と相互の信頼関係が重要であることはパネルディスカッションでの伊藤会長の指摘するところである。
 企業同士の取引であれば互いに相手の事業継続性を重視するのは当然であり、ライセンシーとなる現地企業もライセンサーである日本の本部の継続性を厳しく吟味する。
 そうであれば、海外展示会は少なくとも数年の継続出店を考える必要がある。その意味で、マカオだけでなく海外のこうしたFCショーに継続的に出店する日本のFC本部が少ないことは残念でならない。
 日本で成功を収めたFCパッケージは海外でも事業拡大のチャンスをつかむことができる可能性が高い。今回のヴィ・ド・フランスの事例からも、初期段階から国際的な展開を志向し、そのためのマーケティングを十分準備することが世界戦略成功のカギになる。
 多くのFC本部が海外展開にチャレンジし、成功の果実を獲得することを期待したい。

(中小企業診断士 池田安弘)

最新フランチャイズマーケットトレンド
執筆者:フランチャイズ研究会

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