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連載コラム

第85回 「フランチャイズチェーン統計調査2014年度」

[ 2015年11月30日 ]

 2014年度のFCビジネスに関する統計データが、日本フランチャイズチェーン協会(以下「JFA」という)から発表された。フランチャイズチェーン全体の概要としては、売上高は 24兆1,337億円で前年比2.8%増(6,564億円増)、フランチャイズチェーン総数は1,321チェーンで前年比1.3%増(17チェーン増)といずれも5年連続のプラス成長となった。また、国内の総店舗数(直営店と加盟店の合計数)は25万9,124店舗で前年比2.6%増(6,610店舗増)となり、こちらは6年連続の増加となった。
 売上高や店舗数が増加した要因としては、依然として大手コンビニエンスストアの積極的な出店戦略が挙げられるが、今年の特徴として、消費税増税の駆け込み需要の反動が一部で見られたものの、特に外食業の「焼肉店・その他の一般レストラン店」がブームを背景に大きく成長し、サービス業の「学習塾・カルチャースクール」が好調であった。
 なお、統計資料はJFAのホームページを参照のこと。
http://www.jfa-fc.or.jp/folder/1/img/20151022150417.pdf

小売業

 小売業では、売上高は16兆9,454億円で前年比3.0%増(4,908億円増)となったが、チェーン総数は344チェーンで1チェーンの減少であった。ただし、国内の総店舗数は10万5,873店舗で前年比4.1%増(4,213店舗増)であった。
 「コンビニエンスストア」では、昨年に続き大手チェーンによる大幅な出店のために、店舗数は5.4%増(2,872増)となり、ここ数年の5%程度の伸び率を維持しただけでなく、5万5千店舗を超えるようになった。売上高も10兆1,323億円で前年比5.4%増(5,183億円増)となり、「コンビニエンスストア」で国内市場初めての市場規模10兆円突破が話題となった。
 また、「自動車・自転車関係小売」では、売上高が5,877億円で前年比6.3%減(397億円減)であったが、自転車人気で「自転車小売」が店舗数、売上高を伸ばす一方で、「自動車小売」の売上減少が響いており、若者の車離れの影響と見られる。
 日本経済新聞社がまとめた「2014年度コンビニ調査」によると、大手3社のシェアが78.4%と8割が目前となっている。大手3社では、4位以下と経営統合を目指したり、プライベートブランド(PB)商品やサービスを拡充したりする動きが活発で成長を続けているが、4位以下の大半が減収となるなど収益力の差が浮き彫りになってきている。

外食業

 外食業では、売上高は4兆1,045億円で前年比1.8%増(716億円増)、チェーン総数は562チェーンで12チェーン増加、国内の総店舗数は5万8,910店舗で前年比2.1%増(1,227店舗増)といずれも増加となった。
 「ハンバーガー」は、売上高は6,043億円で、前年から引き続く最大手の売上減少の影響があり、前年比8.5%減(560億円減)となった。
 「カレー・牛丼」は、店舗数が4,392店舗で前年比6.6%増(273店舗増)となり、昨年の減少分を上回る結果となった。
 「焼肉・その他の一般レストラン店」が前年に続き好調で、売上高が5,301億円で前年比7.2%増(354億円増)、チェーン数が63チェーンで1チェーン増加、店舗数が5,444店舗で前年比2.7%増(1.4億円増)と、前年に続きいずれも増加した。数年前から回復基調となった焼肉市場だが、今年も引き続き円安の恩恵をうけており、昨年から始まった肉ブームが追い風となっている。今年は特にドライエイジング技術を用いた熟成肉が脚光を浴びた。ダイエット効果もあると評判になり、特に女性の支持が広がった。また一方で、格安ステーキ店も好調だった。立ち食いで、好きなサイズを注文できるオーダーカットシステムを採用するなどユニークさが注目された。

サービス業

 サービス業では、売上高は3兆837億円で前年比3.1%増(940億円増)、チェーン総数は415チェーンで6チェーン増加、国内の総店舗数は9万4,341店舗で前年比1.3%増(1,170店舗増)といずれも増加となった。
 「レジャーサービス・ホテル」は売上高2,097億円で前年比1.4%減(30億円減)、チェーン数が24チェーンで1チェーン減、店舗数は1,133店舗で前年比2.9%減(34店舗減)となった。4年間増加してきた売上高が減少に転じ、チェーン数、店舗数いずれも減少となった。訪日外国人が大幅に増加し、インバウンド消費をターゲットにした話題が多かった1年だったが、なかなか市場の成長にダイレクトにつながっていない状況がうかがえる。
 「学習塾・カルチャースクール」は売上高4,754億円で前年比5.6%増(251億円増)、チェーン数が90チェーンで2チェーン増加、店舗数が3万2,274店舗で前年比0.7%増(220店舗増)となり、店舗数・売上高ともに引き続き成長している。
 文部科学省による「教育の情報化」が推進されている背景もあり、通信講座でのタブレット無料配布、2020年の小学3年英語必修化にあわせたアニメの幼児教室や速読法のeラーニング、受験生向け専用アプリなど小中高生を対象とした新たなサービスが次々に発表された。大手予備校の大量閉校の発表もあり業界再編が加速する中、こうしたICTを活用したサービスについても今後競争が激化していくものと見られ、その中でいかに差別化を図り、特徴的なサービスを提供できるかが成長のポイントとなりそうだ。

(中小企業診断士 角田博)

《2014年度 JFAフランチャイズチェーン統計調査》

2013年度「JFAフランチャイズチェーン統計調査」報告
出典:2014年度「JFAフランチャイズチェーン統計調査」報告
(日本フランチャイズチェーン協会 平成27年10月)


最新フランチャイズマーケットトレンド
執筆者:フランチャイズ研究会

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