連載コラム

第86回 フランチャイズ本部評価のポイント

[ 2015年12月28日 ]

■はじめに

 FCビジネスを行う時に最も重要なのは、どのFC本部を選択し加盟するかということである。FC本部の選択および加盟は人生における結婚にも例えられる。また、お店を出す時は立地で成功が大きく左右されるように、どのFC本部を選択するかがFCビジネスでは絶対に外せないポイントである。
 そこで、本コラムではFC本部を評価し、選択するにあたっての流れやポイントについて解説するので、是非参考にして頂きたい。

■FC本部評価の流れ

 FC本部評価の流れは大きく分けて、事前の情報収集、FC本部の評価、FC本部の選択という3段階に分けることができる。以下、段階別に概要を述べることにする。なお、各段階での情報収集・評価や確認すべき項目のより詳細な情報は、後ほどご紹介する各種情報源にも記載があるので、ここではまず全体像を押さえることをお勧めする。

【1】事前の情報収集

① FC及び業種・業界に関する情報の幅広い収集
 まずは特定のFC本部よりも、色々な業種・業態の動向や、業界の特徴、業界内での企業について情報を幅広く収集する。以下のような新聞・雑誌やFCに関するセミナー、業界HPを通じて、FC加盟のための基礎材料や判断基準を蓄積するとよい。

② FC本部の情報収集
 次に、興味を持った各FC本部についてより深く情報を収集する。収集すべき項目としては以下のような要素が挙げられる。

  • FC本部企業のホームページ閲覧
  • 事業説明会への参加
  • FC本部への訪問と質疑応答や社風、対応等の把握
  • 既存加盟店への訪問による実態情報の収集
  • 法定開示書面による開示情報の確認

 そして重要なのは複数のFC本部や加盟店に関する情報を収集し比較検討すること、FC加盟時のデメリットや経営状態、訴訟情報など、FC本部にとって不利な情報も適切に開示している確認すること、質問に対して誠実に対応しているかなど実態をよく見極めること、などである。加盟を急がせたり、メリットばかり説明したり、不利益な点に対して不誠実な回答をする等のFC本部には注意が必要である。

【2】FC本部の評価

 具体的にFC本部を評価するにあたっては、例えば以下の6つの評価指標及び各評価項目をもって、加盟検討の候補となっている各FC本部について点数で比較評価するとよい。

<評価指標の内容>

  • 本部経営姿勢
    本部がどのような経営者(経営陣)の下で、どのような経営理念を掲げFCチェーンを展開しようとしているのか、社会及び自分にどのような印象を与えているのか
  • 情報公開度
    加盟希望者が不十分な理解や誤解をすることのないよう、経営実態をありのまま開示しているかどうか
  • 店舗展開可能性
    加盟後、多店舗展開することが期待できるかどうか
  • 加盟店支援度
    本部が加盟店の成功と発展に必要不可欠な支援機能を備えているかどうか
  • 店舗収益性
    加盟店の成功の可能性及び度合い
  • 加盟店満足度
    加盟店満足度が高ければ複数店出店率が高くなる

<FC本部の評価例>

  • 1) 各評価指標の項目毎の数値評価
     加盟を検討しているFC本部について、上記のような各評価指標及び評価項目について4段階評価のような形で評価を数値化する。数値化することによって、どの評価指標や評価項目が強いのか、弱いのかが相対的に分かる。レーダーチャート等で視覚化しても分かりやすい。
     例えば、A本部は本部経営姿勢や情報公開度は高い点数だが、店舗展開可能性や店舗収益性の点数が低いので、経営方針には好感が持てるが採算性には疑問がある、といった判断材料となる。
  • 2) FC本部間での評価点数の比較
     1)で評価した各FC本部の評価点数を各評価指標、評価項目、全体の合計点やバランスで比較するとよい。
     例えば、1)のA本部に対してB本部は店舗収益性は高いが本部経営姿勢は低い、C本部は他より加盟店支援度や加盟店満足度が低い、などと比較評価する。
     ただし、評価指標や評価項目の点数が絶対ではないことには注意が必要である。全てが完璧なFC本部は存在しないし、重視すべき評価指標や評価項目も業界・業種や地域、ご自身の経営資源や適性、価値観等によっても異なる。各FC本部の評価やFC本部間の比較評価の際の参考材料と捉えるとよいだろう。

【3】FC本部の選択

 FC本部の選択にあたっては、本部評価で得た客観的評価の他に、自己の理念や価値観、目的、熱意、経験、相性等の主観的評価の要素も重要である。いくら客観的に優れたFC本部であっても自身が目指す方向と違っていれば頓挫するのは目に見えているからである。客観的評価と主観的評価の総和をもって、自分に合った本部を選択し、熱意をもって継続的に事業に取り組むことが大切である。

■おわりに

 いかに自分に合った適切なFC本部を選択するかがFCビジネスの成否を大きく左右されるが、誰にでも合うFC本部は存在しない。情報を広く深く収集し、納得のいくまで徹底して自分に合ったFC本部を探すことが重要である。本コラムの内容が、適切なFC本部選択に少しでも役立つことを願ってやまない。

(中小企業診断士 木村壮太郎)

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執筆者:フランチャイズ研究会

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