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連載コラム

第93回 フランチャイズ類似ビジネスの類型と加盟時の留意点

[ 2016年7月28日 ]

 フランチャイズ系のマッチングサイトや展示会などを調べていると、ビジネスモデルとしてはフランチャイズとは言い難いパッケージを提供している本部に出くわすことが少なくない。例えば「加盟金なし、ロイヤルティなし」といったモデルが、果たしてフランチャイズと言えるのか。また、このような本部に加盟する際には、どのような点に気を付ければよいのか。本稿では、フランチャイズ類似ビジネスの類型と加盟時の留意点について解説したい。

フランチャイズとは何か

 フランチャイズとは、そもそもモノ(商品および役務)とノウハウをパッケージにして提供し、その対価を得るビジネスである。これをフォーマット型フランチャイズと称する。米国などでは、自動車のディーラー(販売業者)や清涼飲料のボトラー(瓶詰業者)のように、モノとブランドを提供する形式もフランチャイズとしているが、本稿ではこの定義は採らない。
 フランチャイズ契約は、大きく分けて4つの契約からなる。すなわち、①商標使用許諾契約、②商品取引契約、③開業プロデュース(業務委託)契約、④経営指導(業務委託)契約、である。
 加盟金は1回しか支払わない金員という性格からして、その対価は大まかにいうと、①商標使用許諾と③開業プロデュース、ということになる。ロイヤルティは継続的に支払う金員という性格からして、④経営指導や、①(継続的な)商標使用許諾ということになるであろう。ちなみに、②商品取引は、取引価格の中に本部のマージンが含まれていることが多い。

フランチャイズ類似ビジネスの類型

 フランチャイズ類似ビジネスは、前述の4つの契約のすべてではなく、いずれかの機能を選択して提供しているものである。その類型を一覧にして以下に示す。

フランチャイズ類似ビジネスの類型

それぞれの類型における加盟時の留意点

  • A) 正統派
    ブランドはよく知られており、ブランド価値は高い。また本部に経営ノウハウが蓄積されていて、加盟者は売上予測システムや効果的なマーケティング手法などが利用できる。当然、事業成功確率も高くなるが、その分、加盟金やロイヤルティも高めである。
  • B) ベンチャー系
    ブランドの認知度はそれほど高くないが、商品開発力などに優位性がある。本部の業歴が浅く管理手法やマーケティングのノウハウは蓄積されていない。本部の理念に共感し、共にブランド価値を高めていこうとする加盟者に向いている。
  • C) フリーネーム
    一見自由度が高く見えるが、フランチャイズの最大のメリットとでもいうべきブランド力を欠いているので注意が必要である。ブランド価値が落ちてきた本部などが行う手法でもある。加盟金等が比較的安価な場合が多い。
  • D) ライセンス販売
    強力なブランドの商標使用料を支払うイメージではあるが、開業までのプロデュース機能を有する場合が多い。基本的にアフターフォローはなく、ライセンスフィーのみで売り切りきるスタイル。本部の姿勢により後々ブランド力が弱まる恐れがある。
  • E) 納品業者
    「加盟金0、ロイヤリティ0」などと謳っている本部。飲食系では食材業者が自社の食材を、ちょっとした「ノウハウ付き」で販売している。フランチャイズとは言い難いが、商品取引を継続させる工夫としては評価できる。
  • F) のれん分け
    長年働いた従業員へのインセンティブとして、屋号の使用を許可して独立させる形態。いわゆる古くからある「のれん分け」である。最近では、独立を前提としてフランチャイズ加盟希望者を一定期間雇用する形態をとる本部もある。
  • G) 開業プロデューサー
    開業するまでの支援を行う。アドバイスだけの場合も、一定の業務を請け負う場合もある。屋号に「●●プロデュース」といった冠を付けることもある。
  • H) コンサルタント
    定期的に経営指導を受ける形態。フランチャイズ加盟ではなくコンサルティング契約であり、契約解除はお互いの意志表示により原則可能である。

(中小企業診断士 山岡雄己)

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執筆者:フランチャイズ研究会

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