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連載コラム

第97回 「フランチャイズチェーン統計調査2015年度」

[ 2016年11月25日 ]

 2015年度のFCビジネスに関する統計データが、日本フランチャイズチェーン協会(以下「JFA」という)から発表された。フランチャイズチェーン全体の概要としては、売上高は 24兆5,945億円で前年比1.9%増(4,608億円増)、フランチャイズチェーン総数は1,329チェーンで前年比1.6%増(8チェーン増)といずれも6年連続のプラス成長となった。また、国内の総店舗数(直営店と加盟店の合計数)は26万992店舗で前年比0.7%増(1,868店舗増)となり、こちらは7年連続の増加となった。
 ただし、JFA統計全体としてはここ数年で最も厳しい数値である。原因は、ハンバーガー最大手の不振や介護保険法改正によるデイサービス事業への大打撃である。これを除けばフランチャイズチェーンは健全に成長している。コンビニエンス・ストアの成長に加え、ハンバーガー最大手のV字回復もあり、来年度は全体的な回復が見込まれる。

図表1:JFA統計値推移
 2013年2014年2015年
売上高前年比105.5%102.8%101.9%
店舗数前年比103.0%102.6%100.7%

出典:『(社)JFA日本フランチャイズチェーン協会統計調査』をもとに筆者作成。

 なお、統計資料はJFAのホームページを参照されたい。
http://www.jfa-fc.or.jp/particle/29.html

小売業

 小売業では、売上高は17兆4,468億円で前年比3.0%増(5,014億円増)となった。チェーン総数は345チェーンで1チェーン増加した。国内の総店舗数は10万7,591店舗で前年比1.6%増(1,718店舗増)であった。
 2015年度、市場規模10兆円を突破した「コンビニエンス・ストア」は、大手チェーンによる積極的な出店により、店舗数は2.3%増(1,278店増)、売上高は3.6%増(3,667億円増)と高い伸びを示した。日本経済新聞社の「コンビニ調査」によれば、大手3社への寡占化が進行している。大手が新製品開発や新サービスに積極投資し競争力を高めていることに対し、中堅以下の各社はこれに立ち遅れ収益格差が鮮明となっている。「スーパーマーケット」は、店舗数では2.6%の伸び、売上高は3.6%の伸びを示した。全国展開するスーパーに比べ、地域に密着し細かなニーズを取り込む企業の伸び率が高く、売上規模が競争力に繋がっていない。「医療品・化粧品小売」では健康志向を反映して、店舗数+4.2%、売上高+9.1%の高い伸びを示した。また、「リサイクルショップ・中古品小売」分野も、引き続き堅調で、売上高は+0.7%となった。

外食業

 外食業では、売上高は4兆580億円で前年比1.1%減(465億円減)、国内の総店舗数は5万8,548店舗で前年比0.6%減(362店舗減)と、いずれも減少した。チェーン総数は569チェーンとなり7チェーン増加した。ただし、「ハンバーガー」を除いた場合、外食業全体の売上高は0.4%(156億円増)の増加、店舗数では0.3%(181店舗減)の減少に留まっている。
 「ハンバーガー」は、既存店閉店により店舗数は△3.3%(181店舗減)、最大手チェーンの業績回復の遅れと閉店が影響し、売上高は前年比△10.3%(622億円減)と大幅に下落した。「焼肉・その他の一般レストラン店」の売上高は5,443億円で前年比2.7%増(142億円増)、チェーン数が65チェーンで2チェーン増加、店舗数は5,578店舗で前年比2.5%増(134店増)と、いずれも増加した。昨年から続く肉食ブームを背景に、肉料理関連の企業が急成長しており、ボリューム感や値ごろ感で幅広い客層を取り込んだ店が好調である。「ファーストフード」では、「ラーメン・餃子」の売上高は5.3%増(124億円増)、「カレー・牛丼・各種丼物」の売上高が4%増(124億円増)と引き続き好調。「持ち帰り寿司・弁当店」では、店舗数が前年比1.5%減(123店舗減)、売上高は前年比2.8%減(111億円減)となった。スーパーマーケットやコンビニエンス・ストアが新商品開発を強化するあおりを受けた。

サービス業

 サービス業では、売上高は3兆897億円で前年比0.2%増(59億円増)、国内の総店舗数は9万4,853店舗で前年比0.3%増(512店舗増)といずれも増加した。他方、チェーン総数は415チェーンで昨年と同様である。
 「学習塾・カルチャースクール」は売上高4,880億円で前年比2.7%増(127億円増)と引き続き増加したが、店舗数は3万2,238店舗で前年比0.1%減(36店舗減)と減少した。チェーン数は90チェーンで昨年と同様である。「学習塾」は引き続き個別指導に特化した企業が牽引した。経済産業省が発表した2015年度の特定サービス産業動態統計によれば、フィットネスクラブが前年比3.1%増(3,168億円)と4年連続増加、外国語会話教室も前年比3.2%増(853億円)と5年連続で増えており、自己投資型のサービスに消費者の関心が集まっている。「介護サービス」は介護保険法改正により、デイサービスへの介護報酬引き下げや新規事業所開設に関する規制が打撃となった。今後、訪問介護に軸足をおいたサービスの動向が注目されている。

         

図表2: 2015年「JFAフランチャイズチェーン統計調査」

図表2: 2015年「JFAフランチャイズチェーン統計調査」

出典:『(社)JFA日本フランチャイズチェーン協会統計調査』2015年度版

(中小企業診断士 八木原 隆)

最新フランチャイズマーケットトレンド
執筆者:フランチャイズ研究会

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