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連載コラム

第99回 フランチャイズ加盟検討時の、立地のみかた、考え方

[ 2017年1月30日 ]

 立地産業という言葉あるように店舗ビジネスでは立地がとても大切である。同じ商材やサービスを提供している同じフランチャイズチェーンの店舗であっても、立地により売上が何倍も変わってくる。適切な立地で出店できれば成功の確率は大きく高まるが、反対に不適切な立地の場合は良い商材を持っていても苦戦することは免れないであろう。本部からの推薦される物件であっても、全てを鵜呑みにはせず、商圏のデータや現地を確認し自分でも納得いく立地選定が基本である。
 立地を判断する際には、商圏(面)、導線(線)、地点(点)の3つの要素をとらえることが大切であるが、本稿では初めて出店する方を対象に、これら3要素の考え方をまとめるので参考にしていただきたい。

商圏(面)について

 商圏とは店舗が立地し集客を想定するエリアの市場規模や市場特性、競合環境であり面の視点と言える。日常の食材を購入するために、30分以上時間をかけて行く人は少ないであろう。商材にもよるが、良い商品も購入する人がいない場所で販売するのは難しい。
 商圏は、一般的に人口や世帯数及び伸び率、経済規模、競合店などについて調査をする。また性別や年齢などから想定顧客がどの位いるかについても確認し,駅近くであれば乗降者数などの情報も必要になってくる。基本情報については各自治体のHPにある統計資料や政府統計の総合窓口(e-Stat)などから確認できるので参考にされたい。
 e-Stat:http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/eStatTopPortal.do
 競合店を調査する際は、店舗の特徴や時間帯別の実際の客入りの様子を確認する必要があるので,自店と比べての違い、良い点と悪い点に留意して見るようにする。

動線(線)について

 動線とは想定顧客の店舗へのアクセスのしやすさや人通りのことであり、線の視点と言える。同じ商圏や駅周りに出店する場合も、メイン通り(主導線)から1本奥に入ると人通りがまばらになるケースはよくある。同じ商材を購入する場合は行きやすい店舗に行くのが通常であろう。業種・業態にもよるが、来店動機のアンケートで「店舗看板」や「通りがかり」という項目は上位に入ることが多い。
 一般的には前を通る人や自動車の量や層(ビジネスマン・OL・主婦、生活感有無等)、流れの方向性、集客スポットとの位置関係や商圏分断要因(線路や河川等)を調査する。曜日や時間帯により人の流れは変わるので、現地調査は一度だけでなく複数回実施するのが望ましい。

地点(点)、物件について

 地点とは店舗の見やすさや出入りのしやすさ、物件環境のことであり、点の視点と言える。一般的には視認性や間口の広さ、レベル(高さ)や物件の大きさ・形状等を調査する。視認性では店舗前からの見え方の他、主導線や人がたまる場所からどのように見えるかも重要になる。
 物件自体の環境に加え、同じビルや近隣店舗との関連も大切である。学習塾を出店する際に、遊技場と同じ建物への出店では難しいことは容易に想像できるであろう。反対に食品小売店の横に惣菜店を出店する場合は相乗効果を期待できよう。
 面積については広ければ陳列できる商品や利用の幅も広がる一方、工事費や運営管理にかかる費用も増える。陳列する商品数や必要なスペースに応じた適切な広さに留意して物件を選定するようにする。

まとめ

 商圏、動線、地点、全てで基準を満たす物件では集客や売上は期待できる一方、賃料はどうしても高くなる傾向になる。売上が高くても賃料負担が大きく、閉店に追い込まれるケースもある。賃料は月々の固定費となるので、予想される収益に応じた賃料設定に留意しなければならない。
 立地を選定する際は、商圏、動線、地点について同一の指標(ものさし)で複数の物件を比較検討し、実際に現地を見て選定することが重要である。比較表を作成して記載しておくと分かりやすい。本部の立地に関する説明と、既存店の実際に立地状況を確認し、説明に相違がないかの確認および想定立地と類似している既存店の状況を確認することも忘れずに実施していただきたい。

【主な確認内容と調査項目例】
視点内容例調査項目例
商圏 集客エリア(顧客が来店する範囲)
市場規模(想定顧客が住んでいるか)
市場特性(どのような人が住んでいるか)
成長性・将来性(市場は増加傾向か)
競合店(商圏内の競合環境)、等
人口(年齢、性別)、昼間人口、夜間人口、世帯数、車両台数、経済規模、競合店数、競合店の状況、最寄駅乗降客数、近隣同チェーン既存店の状況、等
動線 接近性(店舗へ来やすいか)
通行量(人や車が通るか)
通行人の質(どのような人が通るか)
方向性(流れの方向・地図上の配置)
商圏分断要因(動線が途切れる線)、等
商圏上の配置、通行量(人・車両)通行人や車両の種類(ビジネス・買い物・観光等)流れの方向、商圏分断線(線路や河川等)集客スポットとの距離・配置関係、等
地点 視認性:外観(店舗が見えやすいか)
視認性:店内(店内が見えやすいか)
間口(店舗・駐車場へ出入りしやすいか)
物件スペック(店舗運営に支障はないか)
環境(適切な環境となっているか)、等
視認性(外観・店内)、想定看板位置や形状、間口(駐車場・店頭)、前面道路からの入りやすさ、レベル(段差)、物件の形状、物件の大きさ、駐車場・駐輪場、交通規制、近隣店舗業種、等

(中小企業診断士 中山 琢水)

最新フランチャイズマーケットトレンド
執筆者:フランチャイズ研究会

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