連載コラム

第108回 フランチャイズ・ショー2018 レポート

[ 2018年3月1日 ]

 2018年1月31日(水)~2月2日(金)の3日間、「フランチャイズ・ショー2018」が東京ビッグサイトにて開催された。昨年、一昨年を中心に近年のフランチャイズ・ショーと比較し本年の特徴をレポートする。

昨年までとの違い

 はじめに、開催概要が昨年と大きく変わったことについて触れておきたい。「フランチャイズ・ショー2017」は「インバウンドビジネス総合展」と同時に開催されていたが、今年度の「フランチャイズ・ショー2018」は、同時に開催されなかったことで来場者数が減少した。また、天候が前年は三日とも晴れであったのに対し、今年度は二日目以降が雨や雪という悪条件も重なることとなった。
 このような状況もあり、3日間の入場者数は前年比6,149人減の30,763人と減少した。ただし、それでも2012年以降続いている来場者数3万人突破は更新されたことから、日本最大のフランチャイズ関連イベントとして、依然として安定した集客力を見せている。また、フランチャイズのセミナーは本部側向け・加盟店向け両方ともに一部は立ち見が出るほどの講座もあったなど盛況であり、フランチャイズビジネスに対する関心の高さが伺えた。

出展小間数は2年連続で増加

 出展者数は217社と昨年に比べて26社の増加であった。このうちフランチャイズ本部の数は158社(昨年は130社)。業種別ではフードサービス業が64社(フードコートへの出展を含む)、小売業が14社、サービス業が80社という内訳であり、特に、フードサービス業、サービス業は10社以上の増加となった。さらに、フランチャイズ以外の、ビジネスパートナー募集等の出展者が16社、海外からの出展者が22社あるなど、多様な形態での出展が見られた。
 また小間数で見ると今年度は492小間と、昨年、一昨年を上回った。出展者の小間数が大型化する傾向は前回から見られていたが、今回も8小間の独立した一社での大型小間が10以上あり、今後もこの傾向は続く可能性がある。

<3年間の来場者数・出展者数・出展小間数>
開催年来場者数前年比出展者数前年比出展小間数前年比
2016年33,721+788196-44000
2017年36,912+3,191191-5432+32
2018年30,763-6,149217+26492+60
<3年間の出展者の構成>
ジャンル2016年2017年2018年
フランチャイズ本部/フードサービス業524864
フランチャイズ本部/小売業181214
フランチャイズ本部/サービス業627080
フードサービス開業支援サービス546
ビジネスパートナー募集242216
FC支援ビジネス、店舗開発12910
コンサルティング・相談、出版、海外232727

出展社の特徴

1.フードサービス業

 フードサービス業は出店者が64社と、前回の48社から16社の増加となった。フードコートエリアの出展者数もこれまでの7社から9社へと増加したため、全体的には賑わいを見せていた。
 トピックス性のある出展企業の例では、高齢者向け食の宅配を専門に展開する、シニアライフクリエイト社の「宅配クック ワン・ツゥ・スリー」は、近年増加する高齢者層の宅配ニーズにも応えたものであると言える。また、「やりとり大吉」を展開するダイキチシステム社は、創業40年にして初めて本フランチャイズ・ショーに出展した。他にも、北海道や九州等で、地域の材料に徹底してこだわった飲食店チェーンの出展が見られた。
 厳しい事業環境が続く中、自社のみでの展開では限界があることから、フランチャイズチェーン化することで発展の道を模索する事業者が増加していることが考えられる。

2.小売業

 小売業は前回より2社多い14社の出展であった。いーふらん社が展開する「買取専門おたからや」のような買取業や中古品販売関連の事業者が出展していることは、リユース等の増加という近年の消費者の動向の変化に対応したものとも受け取れるが、全体的には新しい動きは見られなかった。

3.サービス業

 サービス業では前回から10社増の80社の出展が見られた。
 業種別では学習・教育関連が16社の出展と、前回より2社減少した。教育では、ロボット科学教育社のロボットのプログラミングスクール「Crefas」など、近年人気が高まっているプログラミングやロボット教育での出展など教育も進化しているところが見られた。
 この他にも、今後増加が予測される高齢者の死亡数やペットの死亡数、家事代行サービスへ等の分野に対応したフランチャイズチェーンの加速を図ろうとする動きが見られた。
 例えば、葬祭ではティア社の「葬儀会館ティア」、ペット葬祭ではカーベル社の「ペットの旅立ち」が出展。ベンリーコーポレーション社の「ベンリーチェン」など、家事等の代行やいわゆる便利屋といった事業において5社ほど出展が見られた。

 冒頭にも触れた通り、今回はいくつかの点で前回と異なり、前回より来場者数が減少したものの、3万人の来場者があり、全体的には盛況であったと言える。
来年の開催は2019年3月6日(水)〜3月8日(金)の予定である。深刻な労働力不足など一部には厳しい状況が続いているが、本文でも述べた通り、新たな需要に対応するチェーンの出現などフランチャイズを巡る動きは活発であり、新たなフランチャイズ業界の底力に期待しつつ、1年後を楽しみに待ちたい。

(中小企業診断士 木村 壮太郎)

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執筆者:フランチャイズ研究会

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