連載コラム

第110回 業種別FCトレンドと今回注目の出展企業

[ 2019年2月13日 ]

 2019年3月6日~3月8日までの3日間,東京ビックサイトにて開催される「フランチャイズ・ショー2019」では,今回も200社を超える出展企業数が予定されている。来場者数も32,000人以上が来場する見込みであり,盛況感のあるイベントになる事が予想される。今回のトレンド・リポートでは,「小売業・外食業・サービス業」の業種別の市場動向を踏まえ,注目の業態を取り上げて解説したい。

1) 小売業

 日本フランチャイズチェーン協会の発表によると,2017年度(2017年4月~2018年3月)の小売業フランチャイズの動向は,チェーン数は減少したものの店舗数は前年対比1.0%増,売上高は前年対比1.9%増と引き続き堅調に推移している。この店舗数の増加傾向は3年連続続いており9年連続の増加,また売上高は統計が始まった1983年より一貫して昨年対比プラスの結果を残し続けていて,小売業のチェーン化はまだまだ進むものと思われる。

 この傾向を牽引しているのがコンビニエンスストア業界である。大手チェーンの統合が続いているためチェーン数自体は微減しているものの,店舗数・売上高の成長はとどまるところを知らない。一見飽和状態に見られる業態であるが,既存店の売上高は高水準で安定的に推移している。その業績を支えている要因のひとつが客単価の上昇であり,2013年から6年間で客単価は3.9%増加している。コンビニ各社が,デフレ脱却の世相に沿った商品構成,商品開発等を,積極的に行っていることが奏功していると思われる。

コンビニエンスストア業界11月月間売上・客単価
出所:(一社)日本フランチャイズチェーン協会「JFAフランチャイズチェーン統計調査」より筆者作成

コンビニエンスストア業態 出展企業(4社)
店舗名 企業名 企業URL 出展ブース
セブン−イレブン 株式会社セブン−イレブン・ジャパン http://www.sej.co.jp/ FC0416
ファミリーマート 株式会社ファミリーマート http://www.family.co.jp/ FC0411
ミニストップ ミニストップ株式会社 https://www.ministop-fc.com/ FC0413
ローソン 株式会社ローソン http://www.lawson.co.jp/company/fc/ FC0410

出所:フランチャイズ・ショーHPより抜粋

2) 外食業

 2017年度の外食業フランチャイズは,店舗数こそ▲0.2%と微減ながら,チェーン数(0.9%増)・売上高(1.9%増)と前年を上回る結果であった。全体の傾向としては昨年に引き続き,大手ハンバーガーチェーンの売上高の増加(8.7%増)が大きい。また日本料理・寿司店,居酒屋・パブ店,コーヒーショップ店も昨年対比で1%以上の売上増加を果たしている。2000年代は苦戦気味だった外食産業ではあるが,ここ6年中で5年にわたり昨年対比の売上を上回り,外食フランチャイズチェーン全体としては回復基調に乗っていると分析できる。

 そのような中で,今回は焼肉業態に焦点を当てて行きたい。かつては牛肉の業態イコール焼肉もしくはしゃぶしゃぶという感が強かったが,近年はデフレ脱却に伴い,様々な牛肉を利用したフランチャイズチェーンが登場した。顧客対象としても従来の家族連れ,会社利用などの団体利用から,ランチ営業や1人利用など多岐に広がりを見せている。そのような流れの中で焼肉業態自体も売上規模や1店舗あたりの売上高を着実に伸ばしつつある。

焼肉店舗昨年対比
出所:(一社)日本フードサービス協会発表データより筆者作成

焼肉業態 出展企業(3社)
店舗名 企業名 店舗数 企業URL 出展ブース
肉匠坂井 株式会社ジー・テイスト 33 https://www.yakiniku.jp/nikushou_sakai/ FC0825
元気七輪焼肉「牛繁」 株式会社牛繁ドリームシステム 144 http://gyushige.com/ FC1018
じゅうじゅうカルビ 株式会社トマトアンドアソシエイツ 67 https://www.tomato-a.co.jp/ FC1020

出所:フランチャイズ・ショーHPより抜粋 店舗数は各社HPより2019年1月現在

3) サービス業

 2017年度におけるサービス業フランチャイズは,店舗数が0.6%減少に対し売上が1.2%上昇している。住宅建築・リフォーム・ビルメンテナンス業は3.1%,レジャーサービス・ホテル業は2.3%と売上が伸長しており,サービス業全体の8年連続の店舗数・売上高前年比増加を助けている。

 今回は,近年の健康志向の高まりを鑑み,フィットネスの出展企業を取り上げていく。経済産業省の「特定サービス産業動態統計調査」によると,2011年以降のフィットネス業界は売上が7年間で13.8%伸長,店舗数は30.8%増加している。その分1店舗当たりの売上高は13.0%低下しているが,これは既存店の売上低下というよりも,フィットネス業界の中でも小規模業態が確立されたことによるものが大きい。小規模の分だけ顧客ターゲットも絞り込む形となり,業態として先鋭的で特色の明確な企業が台頭してきていると言える。その反面でメガサイズのフィットネス企業の業績も堅調であり,箱の大小に関わらず特色のある企業が業績を伸ばしていると言える。

フィットネス業態 売上・店舗数推移
出所:経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」より筆者作成

1店舗当たり年間売上高(百万円)
出所:経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」より筆者作成

フィットネス業態 出展企業(4社)
店舗名 企業名 企業URL 出展ブース
TetraFit 株式会社ワンダーコーポレーション https://tetra.fit/ FC0309
アルペン
クイックフィットネス
株式会社アルペン https://www.alpen-group.jp/fitness/aqf/ FC0311
FURDI ATカンパニー株式会社 https://www.a-t-company.jp/ FC0602
BeeQuick 株式会社ビークイック https://www.beequick.jp/ FC0304

出所:フランチャイズ・ショーHPより抜粋

■最後に

 フランチャイズ加盟を考える際には,教育や支援体制・企業理念がどれだけ体現できているかなど,数字や文章では表現しづらい部分が重要となる。数値シミュレーションでは一定の収益が見込める場合でも,自社とFC本部における経営理念や方針などに齟齬があると,中長期の業績にも大きな差が出てきやすい。数十年の付き合いをすることになる以上,予期せぬ困難も時に発生することを考慮し,共に乗り越えて行ける企業を見つけるという姿勢が必要になる。そのような相性の合う企業を探すという観点も持って,ご来場の際は数字だけでなく様々な企業の雰囲気を比較していただくことが大切になる。

(中小企業診断士 林恭輔)

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執筆者:フランチャイズ研究会

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