連載コラム

第111回 フランチャイズ・ショー2019を振り返る

[ 2019年4月1日 ]

 2019年3月6日(水)~3月8日(金)の3日間,「フランチャイズ・ショー2019」が東京ビッグサイトにて開催された。昨年,一昨年を中心に近年のフランチャイズ・ショーと比較し本年の特徴をレポートする。

昨年までとの違い

 昨年との違いについて,まずは開催期間について「フランチャイズ・ショー2018」が1月31日(水)~2月2日(金)であったのに対し,今年の「フランチャイズ・ショー2019」は3月6日(水)~3月8日(金)と約1ヶ月後ろ倒しとなった。または今年は,「日経メッセ 街づくり・店づくり総合展」として他の6つの展示会と同時開催となった(昨年の2月開催はフランチャイズ・ショーのみで単独での開催であった)。そのことと合わせて,会場も昨年の東展示棟から西展示棟へと変更になった。天候についても例年来場者が最も多くなる2日目が終日の雨となり,トータル来場者数に影響が出る天候となった。
 このような状況の中で,3日間の入場者数は前年比817人減の29,946人となり,2012年以来7年続いていた来場者数3万人をわずかに割り込んでしまった。日程の変更,他の展示会との同時開催,天候などの影響などが要因として考えられるが,「フランチャイズ・ショー」が日本最大のフランチャイズ関連イベントとして,依然として安定した集客力を見せていることは間違いない。

出展者数は減少も多様化進む

 出展者数は207社と昨年に比べて20社の減少であり,このうちフランチャイズ本部の数は134社(昨年は149社)であった。業種別ではフードサービス業が45社(フードコートへの出展を含む),小売業が14社,サービス業が75社という内訳であり,フードサービス業は13社減,小売業は増減なし,サービス業は2社減であった。一方フランチャイズ本部以外ではフードサービス開業支援サービスの出展者が8社(1社増)、ビジネスパートナー募集が21社(5社増)、FC支援サービス・店舗開発が10社(4社増)となっており、多様な形態での出展が増加してきている。
 また小間数で見ると今年度は463小間と,昨年の498小間を若干下回った。しかしながら出展者の小間数が大型化する傾向は一昨年来続いており,今回も独立した一社での大型小間(10小間)出展が7社,今後もこの大型化の傾向は続くものと考える。

<3年間の来場者数・出展者数・出展小間数>
開催年 来場者前年比 出展者数前年比 出展小間数前年比
2017年 36,912+3,191 191-5 432+32
2018年 30,763-6,149 227+36 498+66
2019年 29,946-817 207-20 463-35

(日経メッセHPより筆者作成)

<3年間の出展者の構成>
ジャンル 2017年2018年2019年
フランチャイズ本部/フードサービス業475845
フランチャイズ本部/小売業121414
フランチャイズ本部/サービス業707775
フードサービス開業支援サービス478
ビジネスパートナー募集221621
FC支援ビジネス、店舗開発9610
コンサルティング・相談、出版、海外274534

(日経メッセHPより筆者作成)

出展者の特徴

1.フードサービス業

 フードサービス業は出展者が45社と,前回の58社から13社の減少となった。フードコートエリアの出展者数もこれまでの9社から4社へと減少したが,フードコートエリア以外にも試食を実施している出展者は7社あり,試食実施の出展者ブースはいずれも賑わいを見せていた。
 トピックス性のある出展企業としては,「小木曽製麺所」(株式会社 大滝)が挙げられる。「小木曽製麺所」は,そばでは珍しいセルフスタイルを採用,自家製粉・製麺された上質なそばをリーズナブルな価格(500円から)で提供している。長野県内で直営店舗13店を展開していたが,昨年神奈川県にFC1号店を出店し,今回全国展開に向けて満を持してフランチャイズ・ショーに出展してきた。フードコートエリアでの出展ということもあり,注目度も高く活況を呈していた。

2.小売業

 小売業は前回と同じ14社の出展であった。今回目立った出展者は「オンデーズ」。今後の眼鏡需要拡大に合わせてフランチャイズによる出店を加速するため,6年ぶりにフランチャイズ・ショーに出展,期間限定で加盟者を集めるとのことである。6小間の大型ブースをスタイリッシュに彩り,出展数が少ない小売業の中でも一際来場者の注目を集めていた。

3.サービス業

 サービス業は前回から5社減の75社の出展であった。業種別では健康志向を反映してフィットネス・スポーツ関連の出展が8社と目立っていた。また美容サロン関連が7社,鍼灸整骨院関連が7社と,美や健康に対する世相が反映されていた。また高齢化を反映したサービスとして介護関連が4社,生活支援関連4社,葬儀関連2社と目立っていた。一方で少子化の影響からか教育関連が今年は10社と昨年16社よりも6社減少した。
 また深刻な人手不足を反映してか,人手不足対策関連が2社出展していた。他の出展各社のブースやプレゼンを見ても,無人レジや券売機,無人受付や入店システムなど人手不足への対応を織り込んだものが多く,それらはどれも来場者の関心を集めていた。

4.その他

 海外関連の出展については,24社中アメリカ企業が11社,東南アジアが8社であった。アメリカは元々フランチャイズ発祥の地であるが,現在も積極的に海外展開していることが伺われた。

 今回のフランチャイズ・ショーについては,前回より来場者数が若干減少したものの,依然として3万人近くの来場者がある催事として,非常に盛況であったと言える。人気のブースの前には人があふれ,歩くのも困難なほどであった。またフランチャイズ関連のセミナーは本部側向け・加盟店向けともに一部は立ち見が出るほどの講座もあり,フランチャイズビジネスに対する関心の高さは今年も続いていた。
 来年の開催は2020年3月4日(水)〜3月6日(金),会場を幕張メッセに移しての開催予定である。昨今新聞をにぎわしている深刻な人手不足への対応はもちろんのこと,急速な外部環境の変化などフランチャイズを巡る課題は多い。しかしフランチャイズビジネスが日本に登場して50年余り,着実に進化を続け大きくなってきた。来年のフランチャイズ・ショーでもきっと,今よりもっと時代に適応した姿を見せてくれるものと,そしてそれを見定めるため多くの人が集まってくるであろうことを信じてやまない。

(中小企業診断士 半田 武志)

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執筆者:フランチャイズ研究会

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