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第1回 JFA「フランチャイズチェーン統計調査」

[ 2008年12月26日 ]

 2007年度のFCビジネスに関する統計データが日本フランチャイズチェーン協会より公表された。それによれば、FCビジネスの末端売上総額が対前年度比で3.6%伸び、初めて20兆円の大台を突破した。国内の総店舗数(直営とFCの合計)は横ばいにとどまったが、チェーン数は堅調に増加している。
 業種別にみると、小売業はチェーン数と店舗数がともに減少したが、売上は大きく増加している。特に好調な売上を示したのは家電量販店とドラッグストアで、それぞれ対前年度比で23.7%、37.8%の大幅増となった。反対に、「宅配販売・通信販売・無店舗販売」は大きな落ち込みとなり、チェーン数、店舗数、売上高のすべてで大きく減少した。
 小売業の中で大きな比重を占めるコンビニは、新規出店は活発であったが不採算店舗の閉鎖も多く、店舗数は微増にとどまった。一方、売上高は堅調に推移し、一部にあるコンビニ飽和論を否定する形となった。
 外食業は、チェーン数は大きく伸びたものの、店舗数は2年連続の減少となり、売上高も減少した。好調だったのは、「カレー・牛丼」、「ハンバーガー」、「アイスクリーム」などで、「日本料理・寿司店」、「ラーメン・餃子」、「居酒屋・パブ」は大きく落ち込んだ。
 サービス業は、チェーン数、店舗数、売上高のすべてで対前年比プラスとなり好調に推移した。対前年度比で57.9%の伸びなったのは、介護関連ビジネスが含まれる「その他のサービス」である。反面、「DPE・印刷・コピーサービス」、「リース・レンタルサービス」などの落ち込みが目立っている。
 1963年に日本に初めて上陸し、その後一貫して成長を続けているFCビジネスだが、ここ数年の趨勢を見ると、かつての勢いを失いつつあるという感は否めない。一昨年度には、FC売上の伸び率がGDPの伸び率を下回った。昨年度はGDPの伸び率を上回ったものの状況は決して楽観視できない。何故なら、昨年度の成長を牽引した家電量販店とドラッグストアは、業績が伸長したというより、FC方式による業界再編が進んだという側面が大きいからである。米国発の金融危機の影響が深刻であれば、今年度、史上初めてFC売上が対前年度比でマイナスになる可能性も否定できない。
 日本経済の成熟化により、小売業と外食業の経営環境は引き続き厳しい。既存事業の大きな伸びが期待できないばかりか、これまで有効であった海外で生まれた先進的なビジネスモデルを日本に持ち込んだり、国内の生業的な業界にシステム化されたビジネスフォーマットを導入したりする手法は、すでに限界に近づいている。
 一方、経済のサービス化が進む中で、伸び代が大きいのがサービス業である。介護関連サービスをはじめとして、家事支援サービス、ペット関連サービス、保育サービスなど成長の可能性を秘めた分野が数多く存在している。今後のFCビジネスをリードするのはサービス業であることは間違いない。

(中小企業診断士 伊藤 恭)

2007年度「JFAフランチャイズチェーン統計調査」

  チェーン 店舗 売上
チェーン数 増減 店舗数 増減 前年比 売上高(百万円) 前年比
総計 1,246 52 235,686 246 100.1% 20,303,777 103.6%
小売業 340 -6 85,333 -249 99.7% 13,607,958 104.9%
(うちCVS) 35 0 43,228 141 100.3% 7,566,888 101.5%
外食業 540 43 55,465 -723 98.7% 4,036,484 99.1%
サービス業 366 15 94,888 1,218 101.3% 2,659,335 103.8%

※店舗数は各チェーンの加盟店・直営店数の合計、売上高は加盟店・直営店の店舗末端売上高。
CVSはコンビニエンスストアの略

(社)日本フランチャイズチェーン協会調べ

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執筆者:フランチャイズ研究会

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