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第2回 外食FCトレンドレポート 〜不況を乗り切る「低投資型」フランチャイズが続々登場〜

[ 2009年1月29日 ]

 「最近、面白い外食FCがない」という声をよく聞く。そうした声を実証するように、最新の「フランチャイズチェーン統計調査」(2007年度/日本フランチャイズチェーン協会調べ)では、外食FCのチェーン数は大幅に増加したものの、店舗数は2年連続減少し、売上高も7年ぶりに減少に転じた。

ライセンス型FC拡大による、本部の小型化

 ここ数年、ライセンス型FC(原則スーパーザイザーを派遣しないFCシステム。ロイヤリティは固定金額とする本部が多い。)が浸透し、外食FC本部にとって大きな負担であったSV派遣を考慮せずに本部を立上げることが可能になった。また、恒常的な人「財」難(=店長不足)に加えて、去年のマクドナルド店長残業代問題にみられる人件費の負担増、金融不安による融資環境の悪化等、飲食業では、直営展開のみによる成長が難しくなってきた。このような状況をうけて、飲食ベンチャーによる本部設立が増えており、結果、本部が小型化している。
 業態の増減をみてみると、「カレー・牛丼」関連や、「アイスクリーム」が純増となっているが、これは大手本部が堅調に加盟店を増やしたことが寄与している。他方、「日本料理・寿司」や「ラーメン・餃子」が大幅に減少した。「ラーメン・餃子」は前年に続いての大幅な減少となっているが、ベンチャー本部が多く、店舗売上も小さいため、廃業やFC脱退等、出入りの多い業態だからだろう。

低投資のローリスクモデルが主流に。 居抜き店舗活用型FCに注目

 マーケットが成熟化している飲食業界では、金太郎飴的な「ヒット業態」が見られなくなって久しい。また、道交法の改正などにより郊外での売上も減少傾向にある。この厳しい環境を生き抜くために、外食企業は、多業態化を図ると同時に、投資を抑えたモデルにシフトしている。
 こうして、これまでFCといえば店舗デザインの統一化が基本条件であったが、近年、居抜き店舗を利用するFCパッケージが急増している。この場合、リニューアルの程度は本部により様々だが、看板や必厨房機器など最低限のリニューアルで済ませ、通常5,000万円以上かかるイニシャルコストを半分以下で抑える本部もでてきた。大手ファミリーレストラン等の大量閉店もあり、今年は居抜き活用型モデルが益々注目されるだろう。が、反面、撤退物件だけに立地が良くないケースもあるので、加盟の際にはメリットとデメリットを見極めるプロの目が必要になる。
 業態については、安定した売上が確保でき、流行に左右されないベーシックな店、という傾向がしばらく続くだろう。ただし、××鶏の焼鳥居酒屋など、ベーシックな業態に地方性や限定食材など、専門性・独自性を持たせることが繁盛のカギとなっており、普遍性と独自性の両立が求められている。
 外食FCは、運営の難易度や自由度、サポートの有無等、そのパッケージは多種多様である。よって、加盟者自身がFC本部から買いたいものは何なのか(=メニューか、仕入れ力か、運営サポートかetc)を明確にしたうえで本部を選定することが成功への第一歩である。

(中小企業診断士 安藤 素)

2007年度「JFAフランチャイズチェーン統計調査」

2007年度「JFAフランチャイズチェーン統計調査」

※ 店舗数は各チェーンの加盟店・直営店数の合計、売上高は加盟店・直営店の店舗末端売上高
※ (社)日本フランチャイズチェーン協会調べ

最新フランチャイズマーケットトレンド
執筆者:フランチャイズ研究会

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