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連載コラム

第3回 小売業FCトレンドレポート  ~堅調なコンビニエンスストア、不況下に活気づくリサイクル関連~

[ 2009年3月2日 ]

 日本フランチャイズチェーン協会(JFA)の2007年度統計調査によれば、小売業分野のチェーン数は2年ぶりにマイナスとなり、6チェーン減で前年比約98.3%、店舗数も249店舗が減少し前年比約99.7%であったが、売上高は約6,400億円増加し前年比約104.9%となった。
 約15年前、JFA統計でのFCの小売業販売額は、商業統計の小売業販売額の約5%を占めるに過ぎなかった。しかし今では約10%を占めるまでに成長を続けており、小売業におけるフランチャイズチェーンの存在感は高まっている。

業容拡大を続けるコンビニエンスストア

 店舗数、売上高ともにプラス成長となったのは、「コンビニエンスストア」「各種総合小売」「自動車・自転車関係小売」「家具・什器・家庭用品関係小売」の4分野であった。
 小売分野の主力は、店舗数で50%強、売上で55%強を占める「コンビニエンスストア」。2007年度の店舗数は141店舗増で前年比100.3%、売上高は約1,080億円増で前年比101.5%となった。いずれも微増といったところである。コンビニエンスストアは、今では小売のみでなく宅配受付等の様々なサービス業務を扱っており、日本の小売業態の中で最も消費者ニーズを捉えた『付加価値』の開発が進んでいる分野といえる。昨年はタスポ導入効果による売上増が注目されたが、本年6月には改正薬事法の施行もあり、医薬品販売にも期待がかかる。店舗数では飽和状態と言われて久しい感はあるが、今後も、消費者の利便性の向上という本来の機能の追求により、まだ発展性が期待できる。昨年2008年はコンビニエンスストアの販売額が、百貨店販売額を追い越すというニュースが流れた。
 特に好調が目立つのが「家具・什器・家庭用品関係小売」。この分野は店舗数で前年比112.1%、売上高で前年比123.9%と高い成長率を示している。なかでも家電製品分野が貢献したようだ。家電業界は価格競争が激しい。勝つためにはバイイングパワー(仕入力)の強化が大切な条件となる。そのため各社は、提携やM&Aなどにより企業規模の拡大を急いでいる。その結果FCにおいても店舗数が増加し、さらに売上高も増加したものと思われる。

不況で好調なリサイクル・100円ショップ

 不景気という状況で健闘しているのが「各種総合小売」であろう。ディスカウントストア、100円ショップなどが、価格志向を鮮烈にする消費者の心を掴んでいるようだ。また中古品販売のリサイクルショップも好調な模様だ。リサイクルは価格志向だけでなく、環境に優しいイメージもある。取扱商品の範囲も拡大しており、今後も有望な分野だ。
 一方、店舗数、売上高ともにマイナス成長だったのは「宅配販売・通信販売・無店舗販売」「飲食料品関係小売」の2分野である。特に「宅配販売・通信販売・無店舗販売」は店舗数で前年比91.3%、売上高で前年比64.4%と大幅な減少だった。
 個別にみれば、衣料品等を取り扱うFCの健闘もみられる。不況の中で、価格や品質など商品を厳しく選別しつつある消費者ニーズに対応していくためには、仕入販売型ではなく、消費者ニーズにきめ細かく対応できる商品開発型のビジネスモデルが求められる。自社開発商品の多い100円ショップや、弁当総菜等の開発にノウハウがあるコンビニエンスストアの伸長を見てもうかがえよう。今後は、このように商品の開発販売が出来るFCが生き残っていくだろう。

(中小企業診断士 大橋 美香)

2007年度「小売業分野のフランチャイズチェーン統計」

  チェーン数 店舗数 売上高(百万円)
2007年度 増減 前年比 2007年度 増減 前年比 2007年度 増減 前年比
小売業合計 340 -6 98.3% 85,333 -249 99.7% 13,607,958 640,432 104.9%
各種商品総合小売 70 -11 86.4% 52,917 525 101.0% 9,207,785 180,134 102.0%
コンビニエンスストア 35 0 100.0% 43,228 141 100.3% 7,566,888 108,533 101.5%
各種総合小売 22 0 100.0% 7,499 593 108.6% 1,546,156 124,003 108.7%
宅配販売・通信販売・無店舗販売 13 -11 54.2% 2,190 -209 91.3% 94,741 -52,402 64.4%
衣服・靴・身の回り品小売 41 4 110.8% 4,510 442 110.9% 158,519 -691 99.6%
飲食料品関係小売 55 -2 96.5% 6,077 -1,216 83.3% 429,679 -28,438 93.8%
各種食料品小売 26 -2 92.9% 1,993 -758 72.4% 264,780 -12,422 95.5%
菓子・パン小売 29 0 100.0% 4,084 -458 89.9% 164,899 -16,016 91.1%
自動車・自転車関係小売 24 1 104.3% 3,581 438 113.9% 614,062 26,122 104.4%
家具・什器・家庭用品関係小売 33 2 106.5% 4,135 447 112.1% 2,089,353 402,529 123.9%
医薬品・書籍・スポーツ用品・中古品等小売 117 0 100.0% 14,113 -885 94.1% 1,108,560 60,776 105.8%

出典:日本フランチャイズチェーン協会 2007年度 FC統計調査

最新フランチャイズマーケットトレンド
執筆者:フランチャイズ研究会

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