連載コラム

第7回 コンビニ業界リポート

[ 2009年6月25日 ]

 日本フランチャイズチェーン協会(JFA)の2008年度コンビニエンスストア統計調査によれば、2008年末のコンビニ店舗数は41,714店(前年比101.9%)、全店売上高は7兆8千5百億円(前年比106.7%)、既存店売上高は7兆2千7百億円(前年比104.5%)である。
 平成12年からの8年間、既存店売上高が前年割れしていたコンビニの売上高が回復基調にある要因は、昨年5月から導入された「taspo」カードに伴う店頭でのタバコ購入客の増加であることは周知の事実である。しかし、今年後半からは「taspo」効果もなくなるため、各チェーンでは顧客ニーズに対応した利便性の提供や低価格化への対応、さらにはモチベーションの高い優良な加盟店主の確保を積極的に行い、チェーンとしての競争力アップを目指している。

利便性の提供

 顧客ニーズに対応した「利便性の提供」としては生鮮食品の取り扱い拡大、御用聞きや商品配達などの取り組みが挙げられる。
 コンビニ利用者が高齢化しているにも関わらず、対応が遅れていた商品構成の見直しでは、「ローソンストア100」に代表されるような生鮮食品を主体にした業態の開発が進んでいる。また、ファミリーマートの「ファミマフレッシュ」のように既存の商品構成を維持しつつ、野菜・果物・刺身などを単身者が利用しやすいように小容量で品揃えする動きも増えている。さらには、客の来店を待つだけではなく、買い物に出られない高齢者や育児中の主婦のために配達等のサービス業務に取り組み、新たな顧客を開拓しようとする動きも出てきている。

低価格化への取り組み

 生活防衛意識の高まりから、客の価格に対する目はより厳しさを増している。そこで、「コンビニの商品は高い」というイメージを払拭するため、各チェーンは食品類の価格を見直し、実勢価格への対応を進めている。また、加工食品や日用品などはナショナルブランド(NB)から、「セブンプレミアム(セブンイレブン)」「バリューライン(ローソン)」「トップバリュー(ミニストップ)」など所属するグループ企業のプライベートブランド(PB)に入れ替え、低価格ニーズへの対応と品質の維持を両立させようとしている。

優良な加盟店主の確保

 コンビニのみならず業態間競合の厳しい経営環境の下では、いかに優良な加盟店主を確保するかということが重要視されている。また、コンビニが誕生して30年以上が経ち、加盟希望者の独立開業ニーズも多様化している。
 そこで、コンビニ各社は「独立支援制度」(下記図表参照)を充実させ、独立に対する意欲と能力はあるものの「商売の経験がない」「開業資金が不足している」「経営のパートナーがいない」などの理由で、実現できていない加盟希望者の掘り起こしを積極的に行っている。
 コンビニで独立開業を望んでいるものの、いま一歩踏み出せない理由は人それぞれである。その障害をクリアするために各社が用意している制度を利用することは、リスクを低減した「新たな独立スタイル」として今後ますます注目をされていくだろう。

(中小企業診断士 石川 和夫)

主要チェーン「独立支援制度」の概要

チェーン名 セブン-イレブン ローソン ファミリーマート サークルKサンクス ミニストップ スリーエフ
名称 契約社員・店長候補 FCオーナーインターン制度 嘱託店長独立支援制度 ベンチャー社員制度 インターン契約社員制度 独立研修社員制度
雇用形態 契約社員 契約社員 嘱託社員 契約社員 契約社員 契約社員
適格者 正社員、オーナー希望者 独立前提のオーナー候補 嘱託店長からの独立希望者 独立前提のオーナー候補 単身で1年後に独立希望者 年齢20~54歳までの独立意欲があり、商売・接客が好きで、当社の理念に共感いただける方
制度利用時の条件 不問 20歳以上、専従予定者必要 嘱託店長として1年以上勤務。面接合格後2年以内にFC契約締結、FC契約時に55歳以下 不問 不問 面接審査の合格20~54歳
独立時の条件 夫婦・同居の二親等以内のパートナー必要 FC契約締結時に運営協力者(夫婦、友人など)のいる方 契約タイプによって単身可、原則は配偶者(夫婦)のパートナーが必要 パートナー必要(当社資格の取得が条件で親族以外も可) 不問 独立審査の合格
期間 1年ごとの契約(3ヶ月試用期間、最大2回延長の最長3年) 原則3ヶ月(3ヶ月以内に店舗を紹介できない場合は1回契約延長可) 1年経過後、3年以内 原則1年 最長1年(当初3ヶ月、店長認定後9ヶ月) 3ヶ月~3年
支援内容 正社員登用・オーナー支援金制度あり(成約預託金の一部免除) 契約金52.5万円と開業準備手数料52.5万円免除 認定されてから2年以内のFC契約で、加盟金52.5万円と開業準備手数料105万円免除 1年後に独立で開店準備手数料100万円免除。在籍月数に応じて最大120万円の独立奨励金支給。 FC契約時に180万円の独立奨励金を支給(加盟金に充当) 期間の応じて最大285万円~135万円の範囲内で支援金支給
 

資料出所:「月刊コンビニ」2009年5月号掲載の一覧表を一部加工、支援制度が複数ある本部は代表的な制度のみを記載

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執筆者:フランチャイズ研究会

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