連載コラム

第8回 ハンバーガー業界リポート

[ 2009年7月30日 ]

 長引く不況で外食産業は総じて苦戦を強いられている。フランチャイズにあっても同様で、2007年度外食業FCの売上高は減少した。そのなかにあってファストフードFCに含まれるハンバーガー分野は健闘を続けている。

堅調な成長を続けるハンバーガー分野

 日本フランチャイズチェーン協会の統計によれば、2007年度の飲食FCの売上高は約4兆364億円(前年比99.1%)、その中のファストフードFCの売上高は約2兆1,445億円(前年比101.0%)、内ハンバーガーFCの売上高は約6,533億円(前年比108.9%)であった。ファミリーレストラン等が苦戦を強いられる中、飲食業界では比較的好調だった。
 一方、日経MJによる飲食業08年度のランキングでハンバーガー分野の動向を見ると、店舗売上高の第1位は日本マクドナルドで約5,183億円であった。次点はモスフードサービスで約980億円。3番目はロッテリアの約342億円であった。

日経MJ飲食業ランキング2008

売上高(億円) 前年比
日本マクドナルド 5183 4.9
モスフードサービス 980 -1.5
ロッテリア 342 0
店舗数 前年比
日本マクドナルド 3754 0.2
モスフードサービス 1358 -4
ロッテリア 521 -1.7
 

外食業のトップはハンバーガー

 2008年度のハンバーガー分野のトピックは、日本マクドナルドが日本の飲食業では初めて、店舗売上高5千億円の大台を突破した事だろう。東京・銀座にマクドナルド1号店がオープンしたのは1971年。その後ロッテリアやモスバーガーなどが次々と参入し、ハンバーガー・マーケットは成長してきた。
 マクドナルドの好調の理由は、長期計画に基づいた、そして環境変化に対応した人事、店舗、商品・価格等への施策が総合的に遂行されているためだろう。例えば直営店の店長への残業代未払い問題が生じて以来、人事体制の改革を進め、現在ではクルーと呼ばれる店舗スタッフを大幅に増員する事で残業を減らし、よって人件費の削減を実現した。また従来7:3であった直営店とFC店の比率を3:7にすべく、直営店のFC店への転換を進めている。これにより収益力を高めたい考えだ。

大手3社の売上高と前年比伸び率

外食業不振のなか厳しい顧客獲得競争は続く

 昨年は単価400円前後の高級バーガーの投入が目立った。ロッテリアでは「絶品シリーズ」を投入、4月の発売から約1年で2千万個売り上げた。マクドナルドでは肉の重量が4分の1ポンドのハンバーガー、「クォーターパウンダー」を発売した。モスバーガーでは消費者の安全志向を受け、国産肉100%のパテ使用の「とびきりハンバーグサンド」を発売し、また御飯メニューの拡充も進めている。一方で低額商品の強化も進められた。マクドナルドもロッテリアも100円台の商品を充実させている。
 ファストフードなので価格競争は避けて通れない。しかしそれだけでは勝ち残れない。そこで高額商品から低額商品まで価格帯を広く設定する事で顧客層を厚くし、下振れしがちな客単価をアップさせ、さらに顧客数も獲得する戦略が採られている。
 不況が長引き消費者が外食支出を減らす中、比較的低価格のファストフードに顧客が流れているという見方もある。しかし家庭食の代替である中食や、ハレの意味を持つレストランと違い、ファストフードにはファストフードのマーケットがある。ハンバーガーは成熟期に入ったと思われるが成長の余地はまだある。

大手3社の店舗数と前年比伸び率

(中小企業診断士 大橋 美香)

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執筆者:フランチャイズ研究会

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