連載コラム

第10回 リユースビジネスのマーケット動向

[ 2009年9月24日 ]

 今、リユース市場は注目を集める。「リユース」とは、「再利用」のことである。意味の近い言葉に「リサイクル」があるが、本来「再循環」である。本稿では、「リサイクル」ではなく、「リユース」と定義する。

成長が加速化したリユースビジネス市場

 現在、リユースビジネス市場の代表的な分野には、中古本・CD、衣料品、生活雑貨、スポーツ用品、家具・家電品、パソコン・オーディオ製品等がある。最新版の平成19年商業統計調査によると、中古品小売業の年間販売額は約4,330億円であった。大雑把にいえば5,000億円市場といえる。市場動向は、前回調査の平成16年と比較し、21.3%増となっている。平成16年と平成14年の比較では16.2%増である。成長スピードが加速化したといえる。一方、リユースビジネスのフランチャイズチェーンは着実に成長している。商業統計調査の中古品小売業の法人事業所が、法人・個人全体の事業所数が減少している中、増加している。1事業所当りの年間販売額や売場面積が増加し(図表参照)、標準的な店舗オペレーションを確立した生産性の高いチェーン化が、ますます進展していることを意味する。

リユースビジネスに求められるノウハウ

 こうしたリユースビジネス市場であるが、チェーンには独自ノウハウが必要になる。

(1)買い取りと販売のワンストップを実現する立地
リユースビジネスは買い取りが一般的な小売業の仕入れに相当する。小売業の仕入れノウハウが品揃えの魅力を決めるように、リユースビジネスも買い取りノウハウが品揃えの魅力を決める。消費者が商品を持ち込みしやすく、かつ商品を購入しやすい立地が重要となる。

(2)買い取り・値付けノウハウ
買い取りノウハウがリユースビジネスの成否を決める。それに加え、買い取り価格の値付け、販売価格の値付けを平準化したシステムを確立し、迅速に対応可能かどうかがチェーンの成長スピードを決める。

(3)商品の魅力向上ノウハウ
中古品という概念を超えて、クリーニングや研磨等のノウハウによる商品価値の向上や、陳列方法、POP等の商品訴求の工夫等により、商品の魅力向上を図る。安かろう、悪かろうではなく、価値を実感できる商品が、今の消費者の購買意欲を刺激する。

生活防衛意識の高い消費者を捉えたリユースビジネスには追い風が吹く

 消費者の高い生活防衛意識は、リユースビジネスには追い風である。新品だと高額な家電品や家具、衣料など今の消費者が手を出さない商品は、リユースビジネスでは販売チャンスが大きい。本・CDは、新品でも中古品でも享受できる便益は変わらない。重要なことは、消費者の購買の優先順位を見極めることだ。"巣ごもり消費"などに対応した商品を、いかに取り揃えるかがチェーンの成長度合いを決めるだろう。

(中小企業診断士 豊田 信)


中古小売業の1事業所当り年間販売額・売場面積グラフ

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執筆者:フランチャイズ研究会

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