連載コラム

第11回 トレンドリポート「ラーメン」

[ 2009年10月29日 ]

 日本フランチャイズチェーン協会の統計データ(2007年度)によると、ラーメン・餃子分野のFC売上高は対前年度比で▲6.4%となった。外食FC全体の売上高が対前年度比で▲0.9%であることを考えると、ラーメン・餃子分野の落ち込みは大きい。このことは、消費者から根強い支持があるラーメンの市場規模が急激に縮小しているということではなく、ラーメンFCチェーンが苦戦を強いられていることに他ならない。
 ラーメン業界の特徴の一つは、その大半が小規模店で、チェーン店の占める割合が飲食他業態に比較して相対的に小さいことにある。こだわりの「味」を提供して行列ができるラーメン店は、日本各地に数えきれないほどある。ラーメンは日本人の国民食といわれながら、地域性が強く顧客の好みは様々である。ラーメンFCチェーンは均一の味、同じ品質を提供することが前提となり、店ごとの特徴を発揮しにくい。FCラーメン店の難しさはここにあるといえるだろう。
 ラーメンFCの経営環境が厳しさを増す中で、ラーメンFCの目指す方向に2つの流れが見えてきた。

規模の経済性を追求

 1990年代末から始まったラーメンブームで、ここ数年のラーメン平均単価は700円前後となり高価格傾向が強まっていた。そうした中、セントラルキッチンの活用、大量仕入れ、自家製麺など規模の経済性を追求し、低価格化を実現したチェーンに注目が集まっている。王将フードサービスが展開する「餃子の王将」は、安くてボリューム満点のメニューで人気を集めている。同社によれば、本年9月の売上高は対前年比で18.6%増、既存店売上高は26カ月連続して前年を上回っている。ロードサイドの大型店舗でファミリー層を狙う幸楽苑は、290円ラーメンを看板に、かつてのファミレスを彷彿させる賑わいである。2008年には直営400店舗を達成し、全国展開により1,000店舗出店を目指している。これらチェーンは、幅広い客層をターゲットにオーソドックスで親しみやすい商品をラインアップして、景気低迷の中で消費を手控える傾向を追い風に業績を拡大している。

独自性の発揮

 一方で、価格競争に巻き込まれない独自性を追求する流れも顕著である。札幌ラーメン「どさん子」を展開するホッコクでは、その新業態「みそ膳」でオリジナルの札幌味噌ラーメンに加え、白味噌、八丁味噌など各地の味噌を使用した7種類の味噌ラーメンを提供している。FCでありながら、味噌ラーメン専門店として存在感を高めている。「らあめん花月」のグロービート・ジャパンは、「げんこつらあめん」などの定番メニューの他に、新作の期間限定ラーメンを年間15種類程度メニューに投入して顧客の支持を集めている。チェーンの商品開発力を前面に打ち出し、一律メニュー、同じ味というFC店のイメージ払拭している。こうしたチェーンは個性を主張することで他チェーンとの違いを明確化し、コアとなる客層の取り込みを図っているのである。

(中小企業診断士 山岡雄己)

主要ラーメンチェーンの動向

社名 主な店名 2008年売上高 昨対伸び率 売上高内訳 店舗数
直営 FC 合計 伸び率 直営 FC
王将フードサービス 餃子の王将 70,170 9,0 49,613 20,567 524 3,8 341 183
幸楽苑 幸楽苑 35,754 3,8 33,216 2,529 424 5,7 399 25
イートアンド 大阪王将 よってこや 16,131 7,3 3,479 12,652 254 10,4 38 216
ホッコク どさん子 みそ膳 11,841 11,8 911 10,930 404 ▲4,0 26 378
ハチバン 8番ラーメン 10,732 3,9 2,894 7,838 157 ▲1,9 32 125
グロービート・ジャパン らぁめん花月 嵐 10,654 4,4 2,468 8,186 218 3,3 40 178
ワイエスフード 九州筑豊ラーメン山小屋 6,487 ▲5,7 2,664 3,823 162 ▲2,4 53 109
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執筆者:フランチャイズ研究会

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