連載コラム

第13回自動車業界FCレポート

[ 2009年12月22日 ]

 消費者の自動車離れが止まらない。かつては400万台前後で推移していた新車販売台数が2008年度は約3割減の約290万台まで減少してしまい、中古車の登録台数もピーク時の550万台から2割強減少の約426万台まで減少している。自動車関連の市場が縮小する中、ワンストップでの整備サービス提供、中古車の新しい販売方法、FCを活用して新事業に参入というユーザーニーズをつかんだ動きがみられるので紹介していきたい。

ワンストップでの整備サービス提供

 新車・中古車の販売落ち込みに伴い、後付のパーツや電装品といった自動車購入後のアフター市場も縮小している。ETC補助等の政策で潤っている部分があるが、カー用品最大手であるオートバックスの09年3月期売上は前年比97.2%とさえない。とはいえ、この逆風に対して手をこまねいているだけではない。オートバックスでは、売上の落ち込みをカバーするために自動車の整備部門を強化している。ユーザーの車検やオイル交換などのメンテナンス需要をワンストップサービスで満たして、自動車整備専業FCとの差別化を図り、顧客を囲い込んでいる。その結果、サービスメニューの幅広さで劣る自動車整備専業FCの売上前年比は64.3%(2008年度FC統計調査:日本フランチャイズチェーン協会調べ)であるのに対し、落ち込みを最小限にとどめている。

中古車の新しい販売方法で消費者の信頼を獲得

 中古車買取最大手のガリバーは、従来は買取車両を中古車オークションに出品して売却するビジネスモデルであったが、新しいサービスを付加して自ら販売することに注力し、一旦納車した車両の返品を最大1ヶ月受け付ける「販売返品サービス」や、ダスキンとの提携で納車車両の「お掃除サービス」を始めた。他にも、カーリンクは「愛車広場」にて中古車の委託販売サービスを展開している。いずれも、中古車の売買に対するユーザーの不信感を取り除く取組であり、消費者の信頼を獲得することで売上を増やしている。

新車販売台数、中古車登録台数グラフ

FCを活用して新事業に参入

 過当競争にさらされているガソリンスタンドでは、ガソリン以外での収益確保に生き残りをかけている。ガソリンスタンドの新規加盟が相次いでいるのが、中古車を貸し出すことによる「格安レンタカー」である。ワンズレンタカーはガソリンスタンドを中心に全国で120店舗を展開し、Sクラスを1日2,625円で貸し出している。また、10分100円という「100円レンタカー」を展開しているカーベルは既存の自動車販売拠点が車両導入や整備面等でサポートする体制を構築し、ビジネスホテルや旅館などの異業種からのFC加盟を呼びかけている。
 その他、「自動車は所有しなくても利用できれば良い」と1台の自動車を複数の会員が共同で利用するカーシェアリングに多くの事業者が参入しているが、ファミリーマートが参入し、将来的に500拠点で営業を始めると発表された。スリーエフやミニストップも既に店舗駐車場を活用してサービスを提供しているので、今後は銀行のATMのようにコンビニのサービスとして普及するかもしれない。

(中小企業診断士 山下 哲博)

最新フランチャイズマーケットトレンド
執筆者:フランチャイズ研究会

バックナンバー

PAGE TOP