連載コラム

第22回 外国人雇用のポイント

[ 2010年9月27日 ]

 最近、コンビニや居酒屋に行くと、外国人労働者の姿をよく目にする。店舗によっては従業員の半分が外国人というところもある。厚生労働省「外国人雇用状況の届出状況(平成21年10月末現在)」によると、外国人労働者を雇用している事業所数は95,294か所。外国人労働者数は562,818人。国籍別外国人労働者数は、中国が最も多く249,325人で、外国人労働者全体の44.3%。次いでブラジル、フィリピンの順で、それぞれ104,323人(同18.5%)、48,859人(同8.7%)になるという。(【厚生労働省:国籍別外国人労働者の割合】)

国籍別外国人労働者の割合グラフ

 社団法人日本フードサービス協会が会員企業を対象に実施した外食産業の雇用状況アンケートの結果が示す通り、従業員に占めるパート・アルバイト比率は92.1%、外国人を雇用している企業は77%、今や外国人アルバイトの力は労働力として必要不可欠となっている。
 以下、外国人留学生をアルバイト社員として雇用する際のポイントを挙げてみたい。

外国人留学生を募集・採用する際のポイント

 外国人留学生がアルバイトをする場合には、アルバイトを始める前に資格外活動許可申請を行い、許可を受ける必要がある。この場合、本来の在留資格の活動を阻害しない範囲内(1週間あたり28時間以内)で報酬を受ける活動が許可される。
 企業が外国人留学生をアルバイトとして雇用する際には、まず、その留学生が資格外活動の許可を受けているかどうかを確認する必要がある。応募時には許可が確認できるものを持参してもらい、本人に間違いがないか、期限等が切れていないかを確認する。採用が決まったら本人に了解の上、パスポートや外国人登録証明書などの必要なページをコピーしておく。
 外国人留学生と面接の際には、日本語能力を確認したい。一見、日本語の読み書きが必要なさそうな業務であっても、就業規程や社内マニュアル、防犯や危険防止のための注意事項など、意外に多くの場面で日本語の読解力が必要とされる。一般的な業種としては、日本語能力検定の2級を所持しているレベルが一つの目安といえよう。

外国人留学生との職場でのコミュニケーション

 外国人留学生が職場に馴染めず、孤立してしまうことも少なくない。名前の呼び方、挨拶や注意の仕方、休憩時間の過ごし方など、一つひとつは些細な違いであっても、積み重なることで双方(片方)のストレスが蓄積され、思わぬトラブルを招くことがある。
 これはある経営者から聞いた話だが、元気のない韓国人留学生に日本人スタッフが「ファイト!」と励ましたところ、留学生はケンカを売られたものと勘違いしてしまったそうである。
 こうした問題は、外国人を雇用している職場であれば多かれ少なかれ必ず発生する。外国人留学生を雇入れる企業は、外国の文化や生活習慣を受け入れ、自らも変化する心積もりと包容力が求められる。経営者や店長は、文化や常識、宗教などの違いを認めた上で、問題を感じた時にはスタッフ同士で話し合えるような雰囲気作りを率先して行っていただきたいと思う。

外国人留学生の労働条件

 外国人留学生の労働条件は、基本的に日本人の労働条件と同じであり、賃金、労働時間、休日などの労働条件は書面で通知しなければならない。その際、外国人留学生が内容を理解できるよう、相手の言語に合わせた労働条件通知書を発行することが望まれる。厚生労働省のHPには、英語・中国語・スペイン語ほか、全部で8カ国の日本語併記の労働条件通知書がダウンロードできるようになっている。これをベースに活用するのが便利である。
 外国人留学生を制限時間を超えて働かせてしまうと、超えた時間は不法就労にあたる。雇入れ企業にあっては、自社で募集している仕事のシフトがこの制限を超えてしまうことのないよう、上限時間に多少余裕を持たせる等の配慮が求められる。
 平成19年10月1日より、雇入れのあった月の翌月10日までにハローワークへ「外国人雇用状況報告」を届け出ることが義務付けられている。これはアルバイト等の非正規雇用であっても同様である。在留資格等を届け出なかった場合、指導、勧告等の対象になるとともに30万円以下の罰金の対象となる。ご注意願いたい。

さいごに

 外国人留学生を活用していくことは、外国人労働者にとってだけでなく、FC加盟店にとっても中長期的にプラスになる。これを機会に外国人雇用のルールを身につけて、コミュニケーションの重要性を再認識すると同時に、社内の意識改革・風土改善に積極的に取り組んでもらえたらと思う。

(特定社会保険労務士・中小企業診断士 藤田 知哉)


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執筆者:フランチャイズ研究会

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