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連載コラム

第23回 外食FC「長引く不況を乗り切る低投資型&低価格型モデルが登場」

[ 2010年10月26日 ]

 最新のフランチャイズチェーン統計調査では、外食業FCはチェーン数が21チェーン減少となった。店舗数はわずかに増加したものの、売上高は前年度より減少した(2009年度(社)日本フランチャイズチェーン協会統計)。このように、ここ数年、厳しい状況が続いている外食FCだが、この長引く不況下を乗り切るための新しいパッケージがみえてきた。

2009年度JFAフランチャイズチェーン外食業統計調査

「低投資型」は、もはやスタンダードに

 この1年、外食FCで最も勢いがあったFCブランドといえば「ステーキハンバーグ&サラダバーけん」(エムグラントフードサービス)であろう。FC展開を始めて2年で加盟店65店舗(直営45店舗)と、この数年、元気がなかった外食FCのなかで久々のヒット業態となった。
 この「けん」が、撤退店舗をそのまま活用し、初期投資を抑え食材原価をかける、というパッケージであったため、これまでのFC=店舗デザインの統一という概念を払拭した。その結果、大手FCチェーンと違い、パッケージの統一が進んでいない多くの中小本部では、程度の差はあるものの「居抜き活用」を前提とするパッケージが拡がりつつある。
 ただし、「居抜き活用」というのは、店舗環境を作りこまなくても価値観を感じさせる圧倒的な商品力が必要であり、それがない場合、中途半端な店になってしまう。また、撤退物件であるため撤退した理由(視認性が悪い、駐車場が少ない、周辺人口が少ない等)の見極めや、設備面のチェックなど、居抜き活用のメリット・デメリットを判断できるプロが必ず必要である。「安い」だけで安易に取り組むと、まさに「安物買いの銭失い」になりかねないだろう。

「低価格」業態が続々登場

 低価格業態が市場を席巻している。大手居酒屋チェーンは低価格帯業態の出店を加速させ、うどん・そばも270円業態が続々誕生するなど、低価格は様々な業態に拡がっている。
 こうしたなか、ここ数年、頭打ちとなっていた居酒屋パッケージに、遂に新モデルが登場した。「牛角」のレインズインターナショナルが展開する「ぶっちぎり酒場」と、「東方見聞録」の三光マーケティングフーズが展開する「金の蔵Jr.(ジュニア)」だ。
 この両社、ともに低価格業態ではあるが、業態としては大きな違いがある。まず、「金の蔵Jr.」は、270円の均一価格だが、「ぶっちぎり酒場」は統一価格ではなく、単品100円~380円となっている。また、「金の蔵Jr.」がタッチパネル式のオーダーエントリーを使用して人件費を削減するモデルに対して、「ぶっちぎり酒場」ではセルフ方式は採用せず、通常のサービスで運営している。そして、「金の蔵Jr.」は、加盟募集については、立地診断はせず、SVも派遣しない代わりに、「ロイヤリティ0円」というシステムを採用している。

 このように、市場が節約、デフレモードである以上、低投資や低価格帯をうたうパッケージが今後も増えていくだろう。ただし、その儲けの仕組みや、こだわりは、パッケージにより異なる。表面上のコストだけに惑わされないことが大切である。

(中小企業診断士 安藤 素)

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執筆者:フランチャイズ研究会

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