連載コラム

第27回 韓国フランチャイズ事情

[ 2011年2月28日 ]

 海外、特に東南アジア、東アジア圏では日本食ブームというようなことが言われて久しいが、このブームも手伝ってか、海外に進出するフランチャイザーがどんどん増えてきた。日本フランチャイズチェーン協会の調査によれば、協会加盟社のうち既に海外展開をしているフランチャイザーは46社、海外展開検討中のフランチャイザーが6社となっており、実に47%の会社が海外展開を既にしているか準備中という状況になっている。展開地域も韓国、台湾、中国、フィリピン、タイなど東アジア、東南アジア圏が上位にランクインする(日本フランチャイズチェーン協会『フランチャイズ・エイジ』2010年11月号12頁以下)。今や、海外は有力なフランチャイズの市場となりつつある。

 観光白書によれば、近年の円高ウォン安の為替市場も相まって日本から韓国への旅行者数は、2009年に3千万人を突破した。逆に韓国から日本への旅行者数も2007年には2千5百万人を超えるなど、日本にとって韓国は地理的に隣の国という以上に近しい存在になっていると言えるのではないだろうか。
 さて、そんな韓国でもフランチャイズビジネスは非常に重要なビジネスセクターと認識されている。
 韓国では、ここ数年でフランチャイズビジネスが急速な拡大を見せている。韓国の場合、フランチャイズビジネスの発展は外食産業が牽引してきていたが、ここ数年の成長は、外食産業だけでなくディスカウントストアやアパレル、クリーニングサービス、さらには教育産業などにおいて大きな発展が見られる。韓国フランチャイズビジネスは、流行や新しいコンセプトに敏感な富裕層の新世代の消費者の登場が大きく影響していると言われている。
 韓国の知的経済部の調査によれば、フランチャイズ関連産業のマーケット規模は700億ドルに達しているという(もっともこれは、単なるフランチャイザーの売上規模だけの問題ではなく、フランチャイズに関連した様々な事業、例えばコンサルティング事業なども含まれる数字である)。このうち約52%がファストフードやファミリーレストランなどの飲食業、11.8%が教育やクリーニングサービス、不動産業などのサービス業、そして36.2%がコンビニエンスストアに代表される小売業という構成比になっている。この点は、小売業フランチャイズの売上が70%近い日本のフランチャイズセクターとは大きく異なっていると言えるであろう。

FCの業種構成(韓国)FCの業種構成(日本)
出展:韓国知的経済部公表資料およびJFA2009年度統計調査

 さて、そんな韓国のフランチャイズであるが、外食産業が牽引してきたからか、外食フランチャイズビジネスはすでに成熟しつつあると言われている。それに対して、新しいコンセプトを持ったサービスフランチャイズについては、チェーン数も比較的少なく、まだまだ発展の余地があると言われており、在韓アメリカ大使館のレポートなどでは、化粧品、子どものための教育、アミューズメントやレジャー、スポーツなどに関するフランチャイズについては、韓国において十分な市場が存在すると報告されている。
 このようにフランチャイズビジネスが大きく躍進を遂げる一方で、韓国でもフランチャイズトラブルは少なくないようである。この点、韓国はフランチャイズ事業に対して、日本より踏み込んだ法規制を行っている。もちろん、規制だけではなく、振興策がセットになっているようである。だが、法規制があるからと言って、フランチャイズトラブルが減少するわけではないことは確かである。
 さて、海を挟んでお隣、日本とは昔から経済的にも政治的にもいろいろと密接な関係のあった韓国。皆さんも行く機会があるのではないかと思うが、ソウルの街を歩いていると、私たちがよく日本で目にする看板を見ることができる。海外のフランチャイズ事情を知ることで、日本のフランチャイズが見えてくることもあるであろう。韓国に行く機会に、フランチャイズビジネスについて考えながら街を歩いてみるのも、面白いかもしれない。

(行政書士 川本 到)

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執筆者:フランチャイズ研究会

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