連載コラム

第30回 スイーツ系チェーン

[ 2011年5月27日 ]

2006年よりマーケットは微増傾向

 総務省の家計調査によれば、2009年度の1世帯あたりの菓子類への年間支出は67,818円。また同年の食料への年間支出は782,693円であったので、食料支出のうち約8.7%を菓子類への支出が占めることになる。この割合は、近年、僅かだが増加傾向にある。すなわち2005年頃まではおよそ約8%であったのが、2006年頃から徐々に増加し、この値になってきている。
 また菓子は家庭の食料としてのみならず、ギフト需要も併せ持っている。全国菓子工業組合連合会によれば、2008年度のギフトの34%は菓子だという。
 日本フランチャイズチェーン協会の統計では、スイーツ系FCという分類は無い。スイーツ系FCが含まれるのは、小売業の「菓子・パン小売」と飲食業の「アイスクリーム」「その他ファストフード」である。
 2009年度調査によれば、前年比で「菓子・パン小売」は店舗数(93.8%)、売上高(97.8%)ともに減少したものの、「アイスクリーム」は店舗数(102.7%)、売上高(103.0%)、また「その他ファストフード」は店舗数(102.2%)、売上高(107.3%)と、ともに微増となった。

家計調査に見る菓子類支出"

商品の幅が広がるスイーツFC

 小売業に分類されるFCには、1963年にFC展開を開始している不二家ファミリーチェーンがある。不二家は日本のFCの草分けの一つといわれている。また、関西が拠点のタカラブネ(社名;スイートガーデン)、今川焼きからはじまったシャトレーゼ工場直売店もこの分類に入る。
 ドーナツのミスタードーナツ、アイスクリームのサーティワン・アイスクリームなどは1970年代にFCを開始し、今では代表的なファストフードFCである。日経MJの飲食業調査によれば2009年度で、ミスタードーナツは1,341店、サーティワンは977店を展開している。これらは飲食業に分類される。
 サーティワンでは2000年よりFCパッケージを大幅に見直し、改革を進めている。店舗デザインを刷新する、加盟店会を充実させる、複数出店をサポートする等加盟店支援を充実させた結果、好業績を維持している。2009年度の日経MJの飲食業調査では店舗売上高伸び率が10.4%と高くなっている。
 飲食業タイプでは近年、シュークリーム、フローズンヨーグルト等々これまでFCには無かった商品を取り扱う本部も参入している。また鯛焼きであってもタピオカデンプンを利用した白鯛焼き、アイスクリームでも顧客の目前でクリームと具材をミキシングして提供するものなど、いわば既存商品を進化させたFCなども参入をはじめている。

テイクアウト中心なら低投資でも出店可

 スイーツ系FCには上述したように、小売業タイプと飲食業タイプの2種類がある。
 小売業タイプは、本部から仕入れた商品を、ほぼそのまま販売する。粗利益率は約30%。加工済みの商品を幅広く品揃えをするのが特徴。そのため売場面積も広く必要で初期投資額も高くなる。
 飲食業タイプはドーナツ、クレープ、アイスクリーム等のチェーンである。本部からは原材料が届けられ、各店舗で調理して提供する。粗利益率は約60%だが、小売業タイプより人件費がかかる。店舗内で調理することから衛生管理も厳しくなり、研修期間も一般に長くなる。ただし取扱商品は、他の飲食業と比べると種類が少ないため、調理作業は比較的シンプルである。また、特にテイクアウトが主力になるケース、例えばクレープ、鯛焼きなどでは、小型店での開業が可能となる。すなわち初期投資額が比較的低額ですむため、個人には開業しやすく、法人では複数出店の魅力も大きい。さらに、このような業種では、FCのブランド力にもよるが、一般に集客力のあるショッピングセンターへの出店がしやすいというメリットもある。ただし、テイクアウトが主力になるケースは客単価が低い部類に入るので、十分な客数の確保が必要である。そのためには、店前動線(ボリューム・質)が基準を満たすかどうかの立地判断が重要となる。
 日本フランチャイズチェーン協会の統計によれば、「その他ファストフード」がプラス成長の一因は、低投資型と言われる「鯛焼き・たこ焼き・お好み焼き」のFCが好調なためという。テイクアウト中心で低投資型のスイーツ系FCは、外食から中食へという消費の流れもあり、今後の動向が注目される。

(中小企業診断士 大橋 美香)

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執筆者:フランチャイズ研究会

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