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連載コラム

「百貨店の家電売場消滅の危機をFC加盟で食い止める」〜若年層の開拓と固定客づくりが競合店対策として急務〜

[ 2008年2月6日 ]

【FC加盟店】<家電専門店「ベスト電器」ヤオ秩父店取締役 小坂勇さん(67歳)>

 
写真左:小坂勇さん 写真右:「ベスト電器」ヤオ秩父店

 秩父の名門百貨店である矢尾百貨店が1986年にベスト電器のFCに加盟するキッカケには"歴史的必然性"があったのです。小坂勇取締役はこう振り返ります。

 「もともと百貨店の家具売場の一部に家電がありました。しかし、売場も小さくお客様のニーズに応えられないので東芝ストアの系列店となったのです。10年ほど経った時に現社長(矢尾直秀氏)が入社してきて言った言葉が『なんで百貨店なのに東芝製品しか置いてないんだ』。その時、タイミングが合致したのがベスト電器の関東地区拡大戦略だったのです」

 当時のベスト電器は日本一の規模を誇る家電店でしたが、本部が福岡にあることもあって関東地区は店数も少なく、知名度も弱かったのです。そのベストの考えに賛同し、加盟にいたった矢尾側にFC加盟の動機がありました。

 百貨店の取り扱い商品は"百貨"からの縮小・廃止が歴史の流れであり、とりわけ家具や家電は専門大型店への移行が大勢を占めていた頃です。20坪の東芝ストアでは先の見通しはありません。かといって、顧客を全部捨てるにはもったいない。FC加盟で規模拡大し、家電の顧客を増やしていこう、という経営判断があったのでしょう。

 しかし、東芝ストアからベスト電器に転換してもしばらく困難な状況が続きます。

 「東芝製品からナショナル含め、総合的に仕入れるようにはなりましたが、当時は秩父でもナショナルの系列店が強く、だいぶ抵抗を受けました。そこで『すべて本部の指示でやっています』と逃げたものです」

 加盟当初はやはり東芝製品が強く、ベストの知名度の弱さが営業にも表われたということです。「それでもFC加盟は仕入れのメリットが大きく、次第に貢献度が高まりました」。

 FC加盟は百貨店別館の2フロア300坪で出発しましたが、2001年、ダイエー(Dマート)の跡地を買収。2フロア600坪へと拡大し、移転したのです。

 東芝ストア時代の年商が2億円で、移転後の年商が最盛期で10倍ほどになっていますから、矢尾百貨店のベスト加盟は正解と言えるでしょう。「家電は規模の商売」であることがこの数字で証明しているからです。しかし、気がかりなことがあります。家電店最強のヤマダ電機が同一商圏に出店する話しが出てきているからです。

 「秩父の近くにある皆野にヤマダの直営店(180坪)があるのですが、その店を閉めて秩父寄りに出店するらしいのです。ですからウチはもっと地域密着の商売を強めなければなりません。固定客づくりが急務です」

 顧客の顔が見える街の電器屋さん、小回りの効く商売を心掛けるということです。そのためには従業員一人ひとりの戦力アップが不可欠です。同時に顧客の拡大、とりわけデジタル家電に強い若年層(20〜30代)の開拓も課題です。


●ベスト電器FC本部のホームページ
http://www.bestdenki.ne.jp

【小坂勇さん プロフィール】
1940(昭和15)年滋賀県生まれ。高校卒業後、59年矢尾百貨店入社。家具売場に配属され、蛍光灯やアイロンなどの家電を担当。以後、48年間のほとんどを家電担当として現在にいたる。「矢尾のルーツは近江商人ですから、"三方良しの精神"がグループ全体に貫かれています。FC加盟の目的をはきちがえている人がいますね」。


(2007年12月取材 流通ジャーナリスト・藤木亮)→筆者紹介


「ベスト電器」ヤオ秩父店 データ

■加盟社概要
法人名・オーナー名(年齢):(株)矢尾百貨店代表取締役社長 矢尾直秀(72歳)
本業:百貨店
社員数:240名
設立年:1950年(創業1749年)
資本金:4,950万円
年商:87億4,800万円

■店舗概要 ※2001年移転後のもの
店名:ベスト電器ヤオ秩父店
電話番号:0494-22-5000
店舗住所:埼玉県秩父市中町3-16
店舗アクセス方法(最寄駅など):西武秩父駅より徒歩8分
FC事業の開業年:1986年9月(旧店舗)
店舗坪数、席数:600坪(2フロア)
立地条件(駅前、郊外型など)、営業時間:10:00〜20:00、市街地中央
開業資金:約6億8,000万円

■経営実績表(2007年8月決算)

売上高15億5,700万円
原価12億3,000万円
人件費1億2,900万円
地代家賃500万円
リース料200万円
減価償却費1,100万円
水道光熱費1,400万円
ロイヤルティ原価に含める
その他経費1億200万円
営業利益6,400万円

※データに関しては、加盟店、店舗オーナーまたは本部から提出していいただいた情報をそのまま掲載しています。
※加盟店オーナーのご意見は貴重ですが、これらは無数にあるFCビジネス・各種代理店事業に関する情報の一つです。自ら(もしくは自社)に最適なFC・各種代理店事業と出会うためには、各自で情報収集を重ねていく必要があります。

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