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消費増税法が成立、購買意欲減退を警戒、小売り・外食対策急ぐ。

[ 2012年8月13日 / 日経MJ(流通新聞) ]

 社会保障と税の一体改革関連法が10日、成立した。現在5%の消費税率が2014年4月に8%、15年10月に10%まで上がり、小売りや外食業界などで消費マインドの冷え込みに警戒感が広がる。オーバーストアで価格競合の激しい業界が多く、「増税分を価格に転嫁できない」とする企業が目立つ。知恵と企業体力が試され、優勝劣敗がより鮮明になりそうだ。

 激しい価格競争が続くスーパー業界では「98円や198円の商品に増税を反映させると、一気に売り上げは下がる」(首都圏中堅スーパー首脳)と頭を抱える。一方、食品卸業界では「値上げをしたくない小売業から、卸価格の見直しを求められる可能性がある」(全国卸幹部)と不安を隠さない。

 冷蔵庫などの高額商品を中心に、駆け込み需要を期待する家電量販店でも警戒感が強い。ヤマダ電機は「駆け込み需要による伸び幅より、反動のマイナス幅の方が大きい可能性がある」(経営企画室)とみている。

 総務省がまとめた6月の全国消費者物価指数は値動きが激しい生鮮食品を除いた指数で前年同月を下回り、2カ月連続のマイナスだった。年間ベースでも11年まで3年連続で下落しており、簡単に価格転嫁できる状況にはない。

 ロイヤルホールディングスの菊地唯夫社長は「メニューへの価格転嫁は考えていない」と語り、傘下の「ロイヤルホスト」などで厨房(ちゅうぼう)を刷新するなど業務効率を上げて吸収する。西友は親会社の米ウォルマートグループとの共同調達や取引先とのコスト削減を進め、単純な価格転嫁は避ける考え。「増税分の値引き還元セールや、プライベートブランド(PB=自主企画)商品で値ごろ感を出す工夫が必要」(大手スーパー)の声も上がる。

 イオンファンタジーも通常のゲーム機の利用料金を据え置く方針だ。ゲームの利用料金は100円単位が基本で「他社が過去に10円単位で値上げをし、売り上げが大きく落ちた」(同社)といい、顧客離れを警戒する。

 前回の増税と違い、今回は2段階の税率引き上げへの抵抗感も強い。1万4千店の店舗網を抱えるセブン―イレブン・ジャパンは「値札変更やレジのシステム変更の手間が2度かかる」と話す。

 各社が今後注目するのは食料品などの税率を低く抑える「軽減税率」の内容。政府が検討中だが、外食業界では「小売店での購入に限るのか、飲食店にも及ぶのかで影響は大きく変わる」と気をもむ関係者が多い。一方で商品群で税率が変わると、決済システムの改修などで「億単位のコストが発生する」(大手スーパー)との懸念もある。

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