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広がるLINE販促(下)店と気軽にやりとり。

[ 2014年5月31日 / 日本経済新聞 朝刊 ]

 「ちょっと疲れちゃいました。午後8時以降の予約できますか」

消費者と双方向

 20代の女性がストレッチや体のケアに訪れるリラクゼーション施設「リラク中目黒店」(東京・目黒)。夕方になると無料通話・チャットアプリ「LINE」による問い合わせが増える。

 この店が使うのは「LINE@」と呼ぶサービス。以前は店側が情報を発信するだけだったが、16日から双方向でやりとりできるようになった。店の「友だち」に登録した客は来店前に在庫を確認したり、飲食店を予約したりできる。リラクのスタッフは「電話で話すよりもちょっとした思いや愚痴も伝えやすいみたい。気軽に問い合わせてくれる」と話す。

 LINE(東京・渋谷)は2012年6月に企業が情報を発信する「公式アカウント」を開始。個人に一斉にメッセージを送れるようになった。LINE@は月800万円以上かかる公式アカウントの簡易版だ。登録者の数は制限されるが、1万人未満で月に何度も情報発信できるサービスは月5000円。双方向サービスを始めて2週間で7000件の新規申し込みがあった。

高視聴率が強み

 個人経営の飲食店などの利用を想定したLINE@を大手が使う例も出てきた。タワーレコードは29店が独自に販促。広島店(広島市)は周辺の学校の通学時間などを見計らい割引クーポンを配信。「多いときには5000人近い登録者の4人に1人が買い物にくる」

 LINE販促の強さのひとつは視聴率の高さ。マクロミルの調査では企業アカウントの情報開封率は55%。10%に満たないメルマガに比べ高い。1200万人の登録者を抱えるローソン。広告の浸透率は「関東地区のテレビ視聴率16%に匹敵する」と電通は試算する。

 こうした影響力のある「広告枠」を他社に貸す試みもある。大口アカウントが他社の商品を紹介。販促費をLINEとアカウントで分け合う。昨年末にサントリーグループが実験。今も数社がローソンと協議する。

 新しい販促ツールとしても注目を集めるLINEだが、規模のジレンマも抱える。日々やりとりする情報があふれるなか「企業メッセージは画面に出ない設定にする」「懸賞を手に入れたらすぐ友だちを解消しちゃう」――。そんな消費者も増えている。

 多額の費用を投じた販促も話題にならなければ、あっという間に膨大な会話の海に埋没する。そのスピードも効果の広がり方と同様に速い。

 松本史、後藤宏光、村松洋兵が担当しました。

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