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コンビニ、生鮮品に力――スーパーとの垣根崩す(買い物羅針盤)

[ 2014年6月11日 / 日本経済新聞 夕刊 ]

 生活必需品の買い物に欠かせないスーパーやコンビニエンスストア。スーパーは食品や日用品が豊富で、コンビニは24時間営業で各種サービスが充実しているのが特徴。だが互いの店舗開発で垣根が崩れている。

 ローソンは2月、「ローソンマート」の展開を始めた。売り場面積は約200平方メートルと、標準的なコンビニの1・5〜2倍。コンビニではわずかの精肉や野菜などの生鮮品を充実させ、メーカー品の価格はコンビニよりおおむね1割程度安い。

 玉塚元一社長は「食品スーパーではなく、コンビニの進化形」と強調する。公共料金の支払いや宅配便を受け付け、たばこも販売。ATMやコピー機も置いている。営業は24時間。安売りのセールは原則しない。

 「セブンイレブン」っていうスーパーです――。1980年公開の映画「男はつらいよ〜寅次郎かもめ歌」では主人公の寅さんが面倒を見た女性の勤め先を、妹のさくらがこう説明する。1号店開業から6年、世間ではセブンイレブンがスーパーと見られていたことを示すシーンだ。

 経済産業省の商業統計は、売り場面積が250平方メートル以上で売上高の7割以上を食料品が占めるセルフサービスの小売業を食品スーパーに分類。コンビニは30平方メートル以上、250平方メートル未満で1日14時間以上営業する店とし、98年から調査を始めた。イオンが都内で増やしている小型店「まいばすけっと」は面積が250平方メートル未満の店が多い。「基準に合わせて集計している」(経産省構造統計室)と、こうした店は統計上はコンビニに分類しているという。

 日本経済新聞社がマクロミルと20〜60代の消費者1千人を対象に5月23〜25日に実施したネット調査では、近さと営業時間のほかにコンビニの特徴に挙がったのが「公共料金の支払いを受け付けている」(88%)、「チケット類を売っている」(87%)、「宅配便を受け付けている」(84%)、「コピー機がある」(74%)、「ATMが置いてある」(68%)など。

 弁当・総菜を含めた食品・日用品の品ぞろえと安さはスーパーの特徴に挙がり、家から同じ距離に店があった場合でも特徴に応じて使い分けていることが分かった。

 コンビニはプライベートブランド(PB=自主企画)中心に商品をそろえ、メーカー品は希望小売価格に近い価格で売るが、スーパーは1〜2割安い。スーパーは「主婦の味方」として安売りが定着。コンビニは価格よりも近くでいつでも営業していることを売りにしてきた。店舗数が多くシステム投資が回収しやすいためATMも置ける。

 スーパー、コンビニともに今後は高齢層をつかむことが課題。「食品や日用品が豊富で安い」という特徴をコンビニが取り込もうとするのは自然な流れかもしれない。

(企業報道部 細川幸太郎)

【表】都内の店舗の標準的な仕様         

   スーパー   小型スーパー   コンビニ

売り場面積(平方メートル)   1000〜1500   200〜300   100〜150

商品の品目数   5000〜1万   3000〜4000   2500〜3000

品ぞろえ   野菜・肉・魚など生鮮食品が充実   加工食品中心で生鮮食品を絞って展開   弁当やおにぎり、飲料など中心

価格帯   1〜2割引き。安売りセールも開催   売れ筋商品を1〜2割引き   メーカーの希望小売価格どおり

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