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ちょい高消費(3)小売り、高品質PB開発急ぐ(よくわかる)

[ 2014年7月2日 / 日経産業新聞 ]

 「ちょい高」消費は消費者にとって身近な、日々の食卓にまで浸透し始めている。日常的に購入する食品では長らく低価格志向が続いていたが、景気回復に伴い少し高くても上質でおいしいものが食べたいという志向に変化。コンビニエンスストアやスーパー各社は「ちょい高」志向の消費者をつかもうと、高品質なプライベートブランド(PB=自主企画)商品の開発を急ぐ。

 セブン&アイ・ホールディングスが2013年4月に発売した高級食パン「金の食パン」。スペシャルブレンド小麦粉を使い、手作業を導入することで専門店の味を再現した。素材や製法にこだわることで、メーカー品より価格が高いにもかかわらず2月末までに累計3000万食を販売した。

 「金の食パン」を追い、コンビニやスーパー各社は次々と高品質な食パンを販売している。

 ローソンは13年11月に国産小麦100%使用の「ウチカフェブレッド」(2枚144円)を発売。ファミリーマートは高品質PB「ファミマプレミアム」シリーズで「デニッシュ食パンバター」(258円)を発売した。イオンは高品質PB「トップバリュ セレクト」シリーズの「デニッシュ食パン」で対抗。それぞれ売り上げを伸ばしている。

 「ちょい高」のPB食品の開発は、食パンだけに限らない。セブン&アイは「セブンゴールド」シリーズとして「金のハンバーグ」などの総菜や即席麺、「金のビール」などの飲料を発売した。ファミリーマートの「ファミリーマートコレクション」の「プラチナライン」など、コンビニ各社も専用のシリーズで対抗。幅広い分野で高品質PBを開発する。

 高品質PBの波は、地方の中小スーパーにまで来ている。全国の中小スーパーを束ねる共同仕入れ機構、シジシージャパン(CGC)は6月、「CGCプライム」を立ち上げた。全国各地の名産品を原料に使った商品を順次発売していく。

 日本経済新聞社が実施した13年度小売業調査によると、今後、PBの品質を「上げる」と答えたスーパーやコンビニはそれぞれ50・5%、62・5%で、過半数を占めた。 景気が回復するにつれ、今後ますます日常的なものにワンランク上の価値を求める消費者が増える可能性がある。企業にはこれまでの低価格競争から抜け出し、他社と価格以外の面で違いを打ち出せるメリットがある。「ちょい高」ニーズを取り込もうと、スーパーやコンビニ各社の開発競争は今後も激しさを増しそうだ。

(福田航大)

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