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ちょい高消費(2)百貨店、20万円バッグ人気(よくわかる)

[ 2014年7月1日 / 日経産業新聞 ]

 アベノミクス効果による景気持ち直しの象徴ともいえる百貨店業界。消費増税前の3月には駆け込み需要が影響して、100万円以上する高級腕時計や宝飾品の売り上げが一気に伸びた。4月は各社で前年を大きく下回ったものの、紳士の靴やスーツのほか、女性用ハンドバッグなどで『ちょい高』商品から回復傾向にある。「欲しい物は多少高くても買う」という消費傾向は根強いと見て、各社は力を入れている。

 「100万円以上する高級腕時計を購入した顧客が、今度は多少値の張るバッグや靴などを買っているようだ」(そごう・西武)。4月の売上高が前年同月比11・4%減と大きく落ち込んだそごう・西武では、5月には2・9%減まで落ち込み幅は減少。回復を支えるのが高単価商品だ。

 主力店の池袋本店(東京・豊島)では高級海外ブランドの仏「セリーヌ」や伊「グッチ」の20万円程度の女性用バッグが売れている。増税後、早くも売り上げが前年を上回るブランドも出ている。三越伊勢丹ホールディングスでも「女性用のハンドバッグが人気。13万円程度の、手を出しやすい価格帯の商品がよく売れている」という。

 超高単価の高級腕時計などは、消費増税前の駆け込みで売り上げが大きく伸びた分、需要は一服している。バッグなど流行を反映しやすい商品は、10万円以上する価格帯でも焦って購入するよりじっくり見極めて買う消費者が増えている。

 紳士の衣料品や雑貨でも「ちょい高」消費の傾向は強い。三越伊勢丹では、1足20万円以上する英高級紳士靴「ジョンロブ」のオーダー受注会を5月中旬に開催。伊勢丹新宿本店(東京・新宿)の受注実績は前年を8割上回った。松屋銀座本店(東京・中央)が5月に開催したスーツ催事でも、人気の2着セット商品で、定番よりも2万円ほど高い約5万円のスーツが好調だった。「今年はワンランク上の商品を求める傾向が顕著だった」(同社)という。

 衣料品よりも比較的手ごろな価格の食料品に力を入れることで、館全体への誘導を狙う動きもある。松屋銀座本店では4月、地下の食品売り場を全面改装した。「婦人服など上層階に合わせて、食品フロアでも平均価格帯をあげた」(同社)

 海外人気ブランドが手掛けるチョコレート専門店では、1粒1500円ほどのチョコが人気。「ごほうびに購入するOLなどが多い」という。婦人服売り場へと客を誘導する導入口として、食品売り場の「ちょい高消費」が貢献している。

 高価格帯の商品が好調な一方、従来の売れ筋であるボリュームゾーンの商品は回復が遅れている。消費者は増税後も価格志向に走らず、本当に欲しい物を見極めて購入しているようだ。「ちょい高消費」の恩恵を受ける百貨店では、顧客の消費意欲をつかむ魅力的な商品をいかにそろえられるかが試されている。(水口二季)

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