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ちょい高消費(1)外食など取り込みに動く(よくわかる)

[ 2014年6月30日 / 日経産業新聞 ]

 少し高くても質のいい商品・サービスを求める「ちょい高」消費が伸びている。景気回復やボーナスの増加を受けて、ちょっと背伸びをして買い物や食事を楽しむ消費者が増えているためだ。消費税率の上がった4月以降もちょい高商品・サービスの売れ行きは堅調。各社は成長の原動力として需要の取り込みを狙っている。

 ちょい高消費が起きている代表例はファミリーレストラン。日本フードサービス協会によると、ファミレスの売上高は5月まで前年実績を13カ月連続で上回る。職場単位の飲み会の減少や若年層のアルコール離れで苦戦する居酒屋とは対照的。ファミレスの4月は前年同月比5・0%増、5月は同6・2%増と消費増税後も好調が続く。

 ファミレスの商品単価はもともとファストフードに比べて高く、「プチぜいたく」を味わいたい主婦らの受け皿となっている。すかいらーくが運営する「ガスト」は4月下旬に牛の希少部位を使った「ミスジステーキ」(税別999円)を発売した。当初は5月下旬までの期間限定商品だったが、想定を大きく上回る売れ行きのため通年販売に切り替えた。

 ちょい高消費は身近なコンビニエンスストアなどにもある。セブン&アイ・ホールディングスが昨年発売した「金の食パン」は、メーカー品より割高ながら2013年度に3000万食を売るヒット商品になった。小売店全体を見渡すと食料品に限らず、ファッションや贈答品といった幅広い分野で少し高めの商品の動きが活発になっているようだ。

 日本経済新聞社が実施した小売業調査で、14年度の客単価が13年度よりも上昇すると予測した企業は32・2%。下落するとの回答(14・8%)を大きく上回り、消費者が買い物にかけるお金は増えるとの見方が広がっている。

 外食各社はちょい高消費を取り込む姿勢を鮮明にしている。同社の飲食業調査で14年度のメニューの方針を尋ねると、高付加価値品を増やすと答えた企業は68・2%に達した。一方、従来より一段安いメニューを導入するとの回答は13・5%にとどまる。

 新興国の人口増加で原材料価格は上昇し、人件費や運送費なども上がっている。商品・サービスへの値上げ圧力は高いものの、コストアップ分を転嫁するだけではちょい高消費をとらえられない。いかに付加価値をつけてニーズに応えられるかが、各社の成長を左右しそうだ。(黒井将人)

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