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国内消費、回復はまだ途上、7月の百貨店売上高は前年割れか、8月は台風の影響も。

[ 2014年8月17日 / 日経ヴェリタス ]

 4〜6月期の国内総生産(GDP)を大きく落ち込ませた個人消費の冷え込み。消費増税による反動減は徐々に薄れつつあるが、回復の鈍さを指摘する声は多い。7〜9月期の消費を占う指標の1つ、7月の全国百貨店売上高は依然として前年同月を下回る見通しだ。8月も週末に台風が直撃した影響もあり、消費回復をうかがわせる材料は見当たらない。

 「ボーナスが増えたという理由で購入するお客様は少ないですね」。東京都内の百貨店の腕時計売り場で、50万円を超える高級腕時計の売れ行きについて尋ねると、こんな答えが返ってきた。増税の影響が大きいとされる高級品だが、大手企業を中心に夏のボーナスが増えたことから、回復が期待された。しかし、今夏の商戦はここまで強いものとは言えない。

 日本百貨店協会は19日、7月の全国の百貨店売上高(既存店ベース)を発表する。これに先駆け、百貨店大手5社が15日までに発表した7月の売上高は、高島屋が前年同月比4.3%減、大丸松坂屋百貨店が2.6%減、そごう・西武が2.7%減だった。「前年より梅雨明けが遅れ、7月前半のセールが低調だった」(J・フロントリテイリング)という。三越伊勢丹と阪急阪神百貨店はプラスだったが、それぞれ0.8%増、1.0%増と小幅にとどまった。

 「ボーナス支給後の売り上げ増が期待されていただけに物足りない」。第一生命経済研究所の新家義貴主席エコノミストは7月の売上高についてこう分析する。新家氏は三越伊勢丹を除く各社が昨夏のセールを6月に前倒し、昨年7月の売上高が前年同月比で2.5%減と落ち込んだと指摘。今年7月はさらに低い水準となる見通しであることは「消費の実態は弱いと考えざるを得ない」(新家氏)。

 内閣府の推計によると、7月の全国百貨店売上高は3.4%のマイナスとなったもよう。百貨店各社によると、梅雨が明けた7月後半から売上高は徐々に持ち直してきたが、8月に入って週末の台風が水を差している。

 また、天候要因以外では、「物価の急激な上昇に対して所得が追いついていない」(日本総合研究所の下田裕介副主任研究員)ことも大きい。4〜6月期の雇用者報酬は名目ベースでは増えたが、物価上昇を反映した実質ベースで前年同期比2.2%減っている。「物価に見合った賃金上昇が年内から年明けにかけて見られなければ、消費者心理は冷え込む」(下田氏)

 全国百貨店売上高の前年同月比を1997年4月の消費増税時と比較すると、ここまでの駆け込み需要と反動減の動きはよく似ている。アジア通貨危機や金融危機の影響もあって不況に陥った前回の増税時、98年4月に一度プラスを記録した百貨店販売が再びプラスとなったのは2年近く先の2000年1月のことだった。現在の経済状況は当時とかなり異なるとはいえ、個人消費の力強い回復に確信を持てる状況ではない。

(菊池貴之)

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