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セブン&アイHD会長鈴木敏文氏――炊きたての味に自信(シリーズ検証コメ聖域は守れたのか)

[ 2014年8月24日 / 日本経済新聞 朝刊 ]

 セブン&アイ・ホールディングスの鈴木敏文会長に、おにぎりをコンビニエンスストアの主力商品に定着させた狙いや背景などを聞いた。

 ――おにぎりを売るきっかけは何だったのですか。

 「米国では冷凍したサンドイッチやパンなども売っていたが、やはり日本人の主食はコメ。これを売ろうと考えたが、『それは家庭で作るものだ』と周囲が反対した。確かに1店当たり売れるのはせいぜい1〜2個だけだった」

 「しかし当時から弁当は家から持って行かず、外食で済ます傾向が強まっていた。弁当も『作る』より『買う』習慣が強まるだろうと考え、やり続けたということだ」

 ――確かにコンビニが生まれた70年代にファミリーレストランなどが増えました。

 「当時は弁当といえば、駅弁だった。普通の食料品店で弁当やおにぎりは売っていない。でも漠然と市場が成長するという読みはあった。そして最初から今と同じで1日3回、店舗に商品を届ける仕組みにこだわった。しかも3回とも炊きたてだ。競合他社は合理的にやろうとしたのだろう。ごはんを1度に炊いて3回運ぶというものだった。今でも他のコンビニとは質が全然違うと自負している」

 ――成長が続いた理由は。

 「おいしさを維持するために築いたベンダーとの関係だろう。消費者も食わず嫌いだったが、次第にコンビニのおにぎりはおいしいとの評価を受けるようになった。するとベンダーもどんどん商品を供給したいと申し出てきた。当社が工場を持った方が合理的に見えるが、そうではない。最高のものを作ってくれと頼み、おいしくなくなったら、お引き取りを願うという緊張関係がよい結果を出した」

 ――コメ消費を増やす手はあるでしょうか。

 「日本のコメ政策は(戦後の)供給不足が起点にあり、量を優先してきた。需給関係が逆転しても量の重視は続き、消費者の立場で考えた政策ではなかった。おいしいコメを作ることを考えた農政であれば、ここまで消費量は落ちなかったのではないか。海外にコメを輸出しているのも質にこだわる農家でしょう」

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