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ローソン、成城石井を買収――成長と高級感両立鍵に、相乗効果、早期創出へ。

[ 2014年10月1日 / 日経MJ(流通新聞) ]

 成城石井の売却交渉を巡っては今年5月、ローソンと三越伊勢丹ホールディングス、イオンの大手小売3社が買収に名乗りを上げ、業種の垣根を越えて優良企業の争奪戦に発展した。軍配の上がったローソンは高成長を続ける成城石井の高級スーパーとして希少価値を薄めずに、出店を拡大し成長を続けるかが課題となる。商品開発などで相乗効果を早く出すことも今回の買収の成否がかかっている。

 「ダイヤモンドの原石のような企業。コンビニエンスストアの出店ノウハウなどを投入して、企業としてさらに成長させたい」。ローソンの玉塚元一社長は成城石井についてこう評価する。

 ワインやチーズの直輸入のほかに、成城石井は高品質な弁当・総菜を自社生産する特徴を持つ。東京都町田市のセントラルキッチンでは、有名ホテルなどで調理を担当していたプロ料理人が薫製ソーセージ、麻婆豆腐、シュウマイなどのヒット商品を開発する。

 同社では月4回の新メニュー開発会議を開き、年間350品目の新しい弁当・総菜を生み出し、消費者を飽きさせない工夫を凝らしている。

 年間10〜15店の高速出店に耐えられるようにセントラルキッチンの規模は「(現在の1・5倍以上の)180店舗まで店が増えても対応できる」(原昭彦社長)という。総菜の集中生産と物流網の整備によって店舗にバックヤードを持たず、駅ナカから路面店、60〜600平方メートルという他社スーパーではできない幅広い店舗フォーマットを持つ強みにつながっている。

 ただ成城石井には苦い過去がある。同社は2004年にレックス・ホールディングス(現レインズインターナショナル)傘下で業績が低迷した。当時の経営陣は現場を軽視したことで店舗従業員が離反した。

 原社長は「転売を繰り返すことで現場が混乱する」と訴え、成城石井側が経営への口出しを極力しないことを安定株主に求めていたことも時間がかかった一因となったとみられる。ローソンは「コンビニの入れ立てコーヒーやプライベートブランド(PB=自主企画)商品などを成城石井の店舗に導入するつもりはない」と、成城石井の自主性を尊重する考えだ。

 高級店と相乗効果を出すのは難しい。イオンは13年にJ・フロントリテイリングから高級スーパー「ピーコックストア(現イオンマーケット)」を買収したが、一時はPB「トップバリュ」を導入するなどして、再建を目指しているが、黒字化に至ってはいない。

 ローソンは成城石井の自主性を保ちつつ、商品開発などで相乗効果を創出し、グループの収益源に育てられるかが成長の鍵となる。(松田直樹)

【表】成城石井の歴史
1927年  東京都世田谷区成城で食品スーパーを開業
  97年  駅ナカ店舗「アトレ恵比寿店」を出店
2001年  関東以外の店舗として大阪市内に出店
  04年  創業家がレックス・ホールディングス(現レインズインターナショナル)に株式を売却
  07年  大久保恒夫氏(現セブン&アイ・フードシステムズ)が社長に就任
  10年  生え抜きの原昭彦氏が社長に就任
  11年  三菱系の投資ファンド、丸の内キャピタルが株式を取得
  14年  ローソンが買収、子会社化

【表】ローソンは多様な業態を持つ
業態          特徴                      国内店舗数
ローソン        基本のコンビニ                 10329
ナチュラル〓ローソン  女性をターゲットに               109
            美容や健康などの関連商品を充実
ローソン〓ストア100 生鮮食品などもそろえて、            1152
            多くの商品を100円均一で提供
ローソン〓マート    生鮮食品を充実させた小型スーパー。       25
            値引き販売も実施
成城石井        ワインやチーズなど直輸入商品を充実。      約120
            70〜700平方メートルと幅広い店舗形態を持つ

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