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セブン&アイ、井阪体制、4つの疑問、(1)指名報酬委の人選、過信の鈴木氏、「シンパ」反旗。

[ 2016年4月22日 / 日経MJ(流通新聞) ]

 セブン―イレブン・ジャパンの社長人事を巡る騒動を発端としたセブン&アイ・ホールディングスの新体制が決まった。鈴木敏文会長にセブンイレブン社長の交代を言い渡された井阪隆一氏がセブン&アイのトップに就任する。鈴木会長が指揮してきたイトーヨーカ堂のリストラや百貨店事業、オムニチャネルはどうなるのか......。大混乱の中で誕生した「井阪体制」の4つの疑問に迫った。(関連記事5面に)

 鈴木会長の辞任の引き金となったのは3月に設置した指名報酬委員会だ。メンバーは鈴木会長と村田紀敏社長に加え、委員長を務める一橋大大学院特任教授の伊藤邦雄氏、元警視総監の米村敏朗氏の社外取締役の4人。

 指名報酬委は2015年6月に東京証券取引所と金融庁の企業統治指針に設置が盛り込まれた。ただ、セブン&アイは監査役会を既に設けており、指名報酬委の設置は任意だった。

 監査役を設置している上場会社で、任意に指名報酬委のような委員会を設けているのは10〜20%にすぎない。だが、セブン&アイは「役員の指名、報酬の決定に関する手続きの客観性、透明性を確保するため」(同社)設置を決めた。

 鈴木会長にとって指名報酬委の存在は形式的なものだった。鈴木会長が提案した人事が否決されたことは一度もなく、指名報酬委に諮っても人事の決定に影響はないと思っていたからだ。

 指名報酬委のメンバーは戦略的に決めたわけではなく、無難にセブン&アイの社外取締役を横滑りさせただけだった。14年5月にセブン&アイと良好な関係だった「一橋枠」で、野中郁次郎・一橋大学名誉教授の後任に伊藤邦雄氏が社外取締役となった。その時、鈴木会長は反対しなかった。

 だが、鈴木会長の人事権への過信があだとなる。伊藤氏は3月、鈴木会長に反旗を翻す。

 「16年2月期まで5期連続で最高益を更新する見通しのセブンイレブンの社長を交代させることには反対だ」――。5時間にわたり、鈴木氏と村田氏が説明したが、伊藤氏は業績好調を理由に交代を拒否し続けた。

 結局、井阪隆一社長を交代させようとする鈴木案に社外取締役の2人が反対。7日の取締役会で強行採決したが、否決された。

 取締役会で否決されたのは、人事案の投票を無記名にしたことが影響したといわれる。それまでセブン&アイでは各取締役が挙手して投票していたが、「無記名にしなければ本音がでない」という伊藤氏の発案から無記名に変更した。伊藤氏の発案に異論はなかった。

 経営の透明性を求める世論の高まりを受けて自ら進んで指名報酬委を設置したセブン&アイ。社内からは「来年に設置していたら、鈴木会長は辞任しなかった」との声があがる。

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