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小売り・外食の人手不足(5)女性活用へ環境競う(よくわかる)終

[ 2016年6月7日 / 日経産業新聞 ]

 人手不足が慢性化する小売・外食業にとって、女性の活用は欠かせない。スーパーやレストランでは従業員に占める女性の比率が高く、各社は女性が働きやすい環境を作ることで採用を確保したり離職を防いだりしている。顧客に主婦が多い小売業では女性目線の店づくりなどを目指し、女性管理職を増やす動きも出てきている。

 日本マクドナルドはアルバイト希望者に対し、求める勤務条件に合う店舗を紹介するサービスを始めた。子育て中の主婦は働ける時間帯が限られる場合が多い。アルバイト希望者が働きたい曜日や時間帯、場所などの条件を募集サイトで事前に入力すると、日本マクドナルドのリクルートセンターが希望条件にあう店舗を選び出し、紹介してくれる。

 吉野家ホールディングスは客席の配置や厨房の設備を変え、店員の負担を軽くすることで女性でも無理なく働けるようにする。3月に実験店として恵比寿駅前店(東京・渋谷)を改装した。

 店員が厨房と客席の間を移動しなければならないU字型のカウンターを廃止。来店客がレジで注文して商品をその場で受け取るセルフ方式を採用して、店員が何度も客席まで往復する負担を減らした。さらに女性でも運びやすい炊飯器を使用する。一度に4キログラム炊ける大型タイプのものから、2キログラムの小型タイプに変えた。

 女性には、子供が生まれると仕事を一旦辞めて子育てに専念するケースが多い。従業員に占める女性の比率が高い小売業では、子供を持つ女性でも働きやすい仕組み作りを進める。イオン九州は子育てと仕事を両立しやすいように勤務日が平日限定の「レギュラーバイト」の採用に力を入れている。通常のパートに比べて時給は数十円低くなるものの、保育園などに子供を預けやすい平日に集中して働きやすくなる。

 主婦を主な顧客に持つスーパーでは女性目線の店作りが欠かせない。ライフコーポレーションでは男性目線の売り場づくりを見直そうと、長時間勤務を改めて労働時間を抑制したほか、女性が昇進を目指しやすいよう研修や勉強会を充実させた。管理職として活躍する女性の事例も発信し、働く姿を想像しやすくした。この結果、管理職に占める女性の比率は12年度の3・7%から15年度には5・9%に伸びた。

 総務省の「就業構造基本調査」によると、12年における労働者に占める女性の割合は「宿泊業、飲食サービス業」が62%、「卸売業、小売業」が51%といずれも女性の比率が高い。人手不足が慢性化する中、女性にとって魅力的な企業でありつづける方法を各社は模索している。(この項おわり)

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