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第49回日本の小売業調査――高価格路線曲がり角、訪日客消費、中国以外の客が増加、リピーター確保へ知恵。

[ 2016年6月29日 / 日経MJ(流通新聞) ]

 2015年度は拡大するインバウンド(訪日外国人)が小売店の売り上げに大きく影響した。一年前と比べて訪日客が「増えた」と回答した企業は43%にのぼった。

 商業施設運営のイオンモールでは、入居テナントの15年の免税取扱額が前年に比べ約5倍に増えた。免税対応する店舗数も15年末時点で約1500店と1年で5倍に増えた。「テナント側が積極的に取り組むようになった」(イオンモール)という。

 炊飯器やカメラなどの家電製品や化粧品などが堅調なほか、スポーツ用品の販売が増加した。「ユニクロ」や「無印良品」など、海外に進出しており知名度があるブランドの人気も高いとしている。

 国別の客数などは把握していないが、中国人客が多く使う「銀聯(ぎんれん)カード」の利用はほぼ横ばい。「相対的には中国以外の地域からの客数が伸びている」(同社)

 松屋は主力の銀座店(東京・中央)のインバウンド消費が2・6倍となった。三越伊勢丹も上期にインバウンドの影響を受けた。ただ、年度後半にかけて円高が進み、インバウンドの伸びが鈍化。中国政府が海外で購入した土産物への課税強化を行ったことも響いた。

 訪日客の利用を促すための施策を実施している企業は38・5%。具体的には「銀聯カード対応の強化」(60・5%)、「外国語での接客」(42%)、「クレジットカード導入など支払い方式の多様化」(37%)の順に多かった。

 セブン―イレブン・ジャパンは訪日外国人向けに消費税の免税手続きに対応する店を増やしている。通常のレジで最短5分で手続きが済む専用システムを開発した。現在は免税対応店が全国に1200店舗まで広がっている。東京、大阪、京都など大都市のほか、地方の観光地の店舗にもシステムを取り入れる。ローソンやファミリーマートも同様に免税対応店を増やしている。

 ファミマは店舗に外貨を日本円に両替できる自動外貨両替機の設置も進めている。今年2月から都内の4店舗で導入を始め、東阪や主要な観光地の店舗を中心に、20年度までに1千店に広げる計画だ。英語や中国語など4カ国語に対応でき、10円単位まで両替できる。24時間使えるため訪日客が日本に滞在する間、日常的に使う現金を引き出す拠点として利用を促す考え。

 16年度は円高・株安が進み、訪日客の単価も下がるなどインバウンドを取り巻く環境は厳しくなりそうだ。

 イオンは昨年10月にマレーシアの旅行会社と組んで販売を始めた訪日客向けツアーの中身を見直している。当初は30〜40人程度の団体客を想定し、人気の高い富士山や京都、自社のショッピングセンター(SC)などを回るパックプランを主力にしていた。

 ただ「個人客が増え、滞在中は自由に回りたいというニーズが強まっている」(同社)ため、2人から催行するツアーや航空券やホテルの手配だけといった、手軽なプランの提案を増やしているという。

 旅行商品の販売はマレーシアの代理店が担うが、イオンは自社店舗でプランを宣伝している。今後も現地に店舗展開する強みを生かし、ニーズの変化に合わせた商品開発で訪日リピーターの確保を目指す。

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