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和装ビジネス(4)衣料大手も低価格で浴衣(よくわかる)

[ 2016年8月18日 / 日経産業新聞 ]

 JR恵比寿駅からほど近い有名フレンチレストラン「ジョエルロブション」(東京・目黒)。普段はスーツなどを身にまとった紳士淑女が集まる高級店だが、7月16日夕は様子が違った。浴衣をまとった10〜20代の女性約300人が集まり、ファッションショーやライブを楽しんだ。

 仕掛けたのはカジュアル衣料大手のストライプインターナショナル(岡山市)。今夏、和装販売に新規参入した。女優・宮崎あおいさんのCMで知られる「アースミュージック&エコロジー」など傘下の17ブランドから28種類の浴衣を売り出した。浴衣と帯、下駄(げた)のセットは税別1万990円。日本の伝統染色技法を用いた5万円程度の商品も用意した。

 「着用する『場面』まで提供する必要がある」。石川康晴社長はイベントを開いた狙いを説明する。イベント自体の赤字は覚悟の上。2020年をメドに3倍以上となる1000人の集客を目指す。「モノ」と「コト」の組み合わせで需要を喚起し、販売を伸ばす狙いだ。

 4年後の東京五輪開催で「ロンドン五輪などの事例から考えると、和の文化が改めて注目されるはず」(石川氏)。7月11〜15日には「浴衣ウィーク」と称し、東京・銀座の本部で社員が浴衣を着用して勤務した。

 価格や敷居の高さから若者には手を出しにくかった和装。カジュアル衣料店や総合スーパー(GMS)が1万円以下という低価格商品を展開し、ハードルは少しずつ下がりつつある。

 ファーストリテイリング傘下で国内カジュアル衣料最大手のユニクロ。旗艦店である銀座店(東京・中央)を8月初旬に訪れると、売り場の一角を浴衣が占めていた。価格は税別4990〜5990円と手ごろ。店員に手伝ってもらい、浴衣を着る外国人観光客の姿もあった。

 デザイナーの鈴木マサル氏が手掛けるテキスタイルブランド「オッタイピイヌ」とコラボした商品など女性向け8柄、女児向け3柄を展開。ホームページで着方を紹介し、初めての人でも楽しめるようにした。

 「ファッションセンターしまむら」を運営するしまむらや、GMSのイオンやセブン&アイ・ホールディングス傘下のイトーヨーカ堂なども浴衣を販売。上下に分かれていて誰でも着やすい「セパレート」タイプも登場している。

 国内のファッション市場をけん引する大手は和装を今のトレンドに合わせながら、新しい切り口で商品化している。訪日外国人客の増加などで日本の伝統文化を見直す機運は高まっており、和装を気軽に楽しむ若い世代は今後も増えそうだ。

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