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エディ、決済伸び悩み打開策は、ビットワレットCSO宮沢和正氏に聞く。

[ 2009年7月31日 / 日経MJ(流通新聞) ]

ポイント制拡充で反攻 主婦・ビジネスマンに照準

 電子マネーで先駆者となった「エディ」を運営するビットワレット(東京・品川)。6月の月間決済件数は2550万件と過去最高を記録した。だが、同社は8期連続営業赤字。急速に発行枚数を伸ばす他の交通系IC乗車券や流通系電子マネーも肉薄する。黒字化に必要といわれる決済件数倍増へ、遅れをとっていた「ポイント付与」にも乗り出す。同社の戦略をビットワレットCSO(最高戦略責任者)の宮沢和正氏に聞いた。

 ――電子マネーの現状をどうみるか。

 「09年は電子マネーの本格的な普及期だ。イオンの『ワオン』やセブン&アイ・ホールディングスの『ナナコ』が参入した07年から2年が過ぎ、大都市圏を中心に何らかの形で利用している人が一般的になった。電子マネーが行き渡たれば、1枚あたりの決済件数と利用拠点数が重要になる。エディの決済拠点は、10月からセブンイレブンの全1万2000店舗が加わる。マクドナルドも9月には全3800店舗で決済可能となる」

 「当社では電子マネーの利用者を4分類でとらえている。『電子マネーを利用し、エディをよく利用』『電子マネーを利用し、エディ以外を利用』『電子マネーを利用するが低頻度』『利用しない』だ。このなかでエディの電子マネー利用が低頻度の層を積極的に取り込むよう攻勢をかける」

 ――それは具体的にどのような層か。

 「1つ目は主婦層だ。まず主婦層はスーパーなどでの利用頻度が高い。この層の利用を促すため、携帯電話に搭載したエディを利用するごとに全日空やKDDI(au)、ヤマダ電機など7社のポイントが取得できるプログラム『Edyでポイント』を提供している。同プログラムに加入していない人の平均月間利用金額は6000円程度。逆に利用している人の利用額は1万円弱で、4割も多い」

 「2つ目はビジネスマン層。現在、ソニーグループや富士通、電通など大手企業350社の社員証にエディが内蔵されている。社員証は必ず社員食堂や近隣コンビニ、飲食店などで利用するため利用頻度も高い。1年後には400社は突破するだろう」

 ――主婦層は流通系のワオンやナナコ、ビジネスマン層はJR東日本の「スイカ」など交通系を選ぶのではないか。

 「流通2社以外に有力なスーパーやコンビニエンスストアは多い。大手コンビニで共通して利用できるのはエディだけだ。地方のスーパーでも利用が広がっている。中には兵庫・大阪拠点の関西スーパーマーケットのように独自カードにエディを入れるケースも増えている」

 「社員証に関しても、(流通系や交通系はそれぞれの)グループに属さない企業では採用されにくく、中立のエディに利がある。さらに利用頻度を上げるため、携帯向けだけに付与しているポイントを、今後通常のカードからでも付与できる施策を検討中だ。エディには拡張性があり、ポイント機能の付加などの方策が選択としてありえる」

 ――競合他社との連携はあるのか。

 「共通読み取り機の設置に関して協力関係を築いている。2年ほど前は考えられなかったが、現在は2週間に1度程度ミーティングを実施している。電子マネー全体の底上げのために協力できる点は協力していく」

(聞き手は五十嵐孝)

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