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小田急百、ネット予約すれば店頭割引、スポーツ用品、若者に照準(売る技術光る戦略)

[ 2010年10月13日 / 日経MJ(流通新聞) ]

 小田急百貨店はスポーツ用品で、インターネットと店舗を組み合わせた独自のサービスを始めた。ウェブサイトで目当ての商品を予約すると店頭で価格を割り引く。ネットで情報収集するのが当たり前の若い世代を取り込むことを狙う。実際に商品を試せるうえ、気に入らなければキャンセルもできるのが強みだ。

 対象にスポーツ用品を選んだのは、昨年9月に旗艦店である新宿店(東京・新宿)のスポーツ用品売り場を大幅に拡張したため。売り場面積は4500平方で、「国内の百貨店で最大規模」。その強みを生かして新しい顧客を獲得する戦略だ。

 顧客はまず、小田急百貨店のウェブサイト「ハルクスポーツメンバーズ」で会員登録する。サイトには新宿店で扱っている商品の一部が一覧できるようになっており、顧客は気になる商品を指定して予約する。その後、店頭を訪れると割引価格で購入できる。

 ネットで予約できる商品はアシックス、ヨネックスなどの製品を中心に約600点で、今後は800点まで増やす計画だ。割引率は商品によって異なるが、2つ以上を購入した場合は最大10%まで広がる。

 サイトでは見せ方にも工夫をこらした。店の販売員がモデルになり、ランニングウエアと靴などの着こなしを紹介。ファッションの一部として楽しめるように提案する。顧客が商品を組み合わせながら割引率も一目で分かるようにした。

 サイトに付き物の通販機能はあえてつけなかった。「ネット通販は値崩れが激しく、百貨店のブランド力だけでは戦えない」(eビジネス担当の西和幸統括マネジャー)と判断したためだ。

 その代わり店頭では、予約した商品のサイズ変更やキャンセルに応じる。まずは顧客に店に足を運んでもらい、百貨店ならではの手厚いサービスを体験してもらおうという狙いだ。

 7月のサービス開始から9月末までに会員登録したのは約350人。このうち約1割の人が実際にネットで予約して店頭で割引するサービスを利用した。ランニングウエアと栄養補給剤をセットで買う人や、店が提案した着こなし方法にしたがって購入する人もいたという。

 ただ「会員登録した人のうち、実際に利用した人が想定より少なかった」(西統括マネジャー)のも事実だ。

 顧客はネットで検索すれば、目当ての商品をもっと安く買えるサイトを探すことができる。小田急百貨店の割り引きよりも、そうした格安サイトの方が魅力的だった可能性もある。

 小田急百貨店では、割り引き以外にも会員だけの特典を増やす必要もあるとみている。今後は予約した商品の割り引きだけでなく、限定商品の優先販売も始める。

 掲示板機能を利用した会員同士のコミュニティーづくりも進める。百貨店が扱う商材のなかでも、趣味と関連が強いスポーツ用品だからこそ消費者のコミュニティーができやすいと見ている。会員数は今年度末までに1600人を目指す。

 「スポーツ好きの人にとって居心地の良いサイトであってほしい」と、同社スポーツファッション部の加藤了バイヤーは話す。店の強みを生かし切るためにも、まずは季節やスポーツイベントに合わせた仕掛けで、スポーツ好きの会員を集めることが欠かせない。

(岩本健太郎)


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