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2018年3月7日 会場レポート(後編)

 空間で人を魅力し、商品に興味を持たせるには、どのようなアトモスフィア(雰囲気、空気感)を作り上げるかが鍵となる。JAPAN SHOP 2018から、天然素材で気持ちをほっこりさせたり、一瞬で心を捉える不思議な仕掛け、さらに音楽で人をつなげるサービスなど、多様な取り組みをする出展者を一挙紹介する。

文/猪飼尚司

01.デリス建築研究所

ノルウェーの森で25年以上のときをかけて育ったコケを採取し、パネル状に加工した「スカンディアモス」。デリス建築研究所では、これを壁面装飾材として販売している。

デリス01

コケは100%天然素材であるため、パネルに設置した後も成長を続け、呼吸を繰り返す。これにより調湿が行われ、常に室内の湿度が一定に保たれやすくなるという。さらに、脱臭効果や断熱性の保持、壁面を覆うことで音の吸収・分散が行われ、騒音を抑えるという機能性も保持している。

デリス02

さらに空気中の水分を吸収・発散するため、水やり不要で完全メンテナンスフリー。デリス建築研究所では、3年間の保証期間を設け、万が一品質に異常が現れた場合は、無償で交換を行ってくれる。

デリス03

形状は、アルミorコルクから選ぶパネルのほか、木製フレームも用意。化粧品や子供用粘土に使われる安全な着色料で染めて12色のカラーバリエーションから選ぶことができるなど、空間のデザインに応じて、さまざまなアレンジが楽しめるのも特長だ。

デリス04

02.JK木構造グループ

建材の卸売事業および木材加工事業を中心とするJKホールディングスに属する6社(キーテック、宮盛、秋田グルーラム、ジャパン建材、物林、銘林)が合同で展示。各々が得意とする分野をブースのデザインに反映。たった4本の柱だけで、アーチ状に反り上がる天井を支える印象的なその姿に、来場者の注目が集まっていた。

JK01

最長12メートル、最大厚60cmまで製造可能な構造用単板積層材(LVL:キーラム)のパイオニアとして知られるキーテックは、ブースの梁を担当。積層させることで、強度があり反りや割れの少ない安定した建材を提供する宮盛が柱を。さらに湾曲する屋根は、秋田の大館樹海ドームを担当した秋田グルーラムが手がけるなど、グループの力を結集した。

JK02

環境負荷や自然回帰への流れを受け、素材としての木の存在に改めて注目が集まるなか、その加工表現や構造体としての無限の可能性を感じさせてくれる。

JK03    JK04

03.朝日ウッドテック

近年は、フローリングを中心とした木製建材の製造・販売で知られる朝日ウッドテックだが、角溝付きの突板(ピーリング)の規格化を1950年代からいち早く始めていたように、壁・天井材分野での実績も多い。

朝日01

JAPAN SHOPでは、ブランドの原点回帰とも呼べる新しい壁面材「ザ・ウォール」を発表。安定供給が可能な北米の針葉樹3種(スプルース、ヘムロック、レッドシダー)の無垢材タイプと突き板タイプを紹介。

朝日02

素材そのものの魅力を引き出すために、ウレタン塗装はマットで薄めに施し、木肌の色味や、木目の美しさを強調。さらに針葉樹は柔らかく加工がしやすいことから、ウェーブやブロックといった立体的な加工を施し、壁面に豊かな表情をつけることも可能にしている。

朝日03

国内ではまだまだ工業用天然素材による壁材を扱うところが少ないが、近年カフェを中心に自然素材を多用した居心地の良い空間演出を心がける案件も増えていることから、この「ザ・ウォール」での市場の参入を目指している。

朝日04

04.新日本創業

大判ポスターを中心としてディスプレイ事業を手がける新日本創業は、新時代の特殊サイネージ「フライビジョン」を展示。フライビジョンは、ハンガリーの企業が開発したディスプレイケースで、展示物を宙に浮かした状態でケース内に収めることができる驚きの仕掛けだ。

新日本01

商材を固定する台座などを必要としないため、鑑賞者の視点が展示品だけに絞られるというメリットを持つ。また、希望に応じて、サイズやセッティングをオーダーメイドできるため、多様な展示方法が考えられる。

新日本02

内部構造に特殊な仕掛けを使っているため、展示物の入れ替えは不可能。そのため、同社では常設展示に向けた提案を行っており、初代モデルなどの代表的な商材など、企業を象徴するようなアイテムをディスプレイし、エントランスやレセプション、ショールームのコーナーを特徴づけることを目指す。

新日本03

05.ヤマハミュージックジャパン

商空間におけるBGMの大切さを追求するヤマハミュージックジャパン。BGMがあることで、場の雰囲気を和ませるだけでなく、隣席の会話をカットするように、プライバシーを守るという役割も担う。

ヤマハ01

JAPAN SHOPのブースでは、空間の規模や用途、設置方法に応じたさまざまなタイプのBGM用スピーカーラインナップを紹介。明治時代よりピアノ製造を手がけてきた楽器メーカーの老舗でもあることから、同社のスピーカーシステムはナチュラルな音質を得意とし、優しい音を奏でると評判だ。

ヤマハ02    ヤマハ03

また、音楽は人と人を繋げるきっかけになることにも着目し、「タッチ&トライ」という楽器体験イベントを実施。さまざまなタイプの楽器レンタルとともに、経験豊富なデモンストレーターが楽器の使い方や上手な演奏の仕方などを指導してくれる。各地の商業施設での実績を持って、これからは企業の福利厚生や労働組合のイベントなどに適用していきたいと考えている。

ヤマハ03

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