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連載コラム

第8回「中国茶で3つの業態をまとめたShanghai Comfort銀座店」

[ 2003年5月26日 ]


 首都高速の高架下に設けられているショッピングゾーン「銀座ファイブ」の2階に位置するShanghai Comfortは、3つの業態を組み合わせている。足浴とリフレクソロジーのサービス、茶葉の販売、そして喫茶。これら三つのコーナーに、それぞれ中国茶を取り入れているのが特徴だ。

 リフレクソロジーとは、足裏などにある「反射区」と呼ばれるツボに適度な刺激を与えて血液やリンパの流れを改善し、自然治癒力を高める方法のこと。ここでは木のすだれで仕切ったアジアンテーストのブースを八つ用意して、利用客が他人の視線を気にせずにゆっくりリフレクソロジーを受けられるようにしている。さらに、リフレクソロジーをする前には木桶(きおけ)に入れた中国茶による足浴を施し、終了後には客の体に合わせてカウンセラーが選んだ中国茶を提供する。リフレクソロジー自体は中国式でなくて英国式を採用しているというが、癒し効果とイメージづくりに中国茶を活用している。

 

 リフレクソロジーは最近、雑誌などでもしばしば目にするようになっている。ただし一般客にとっては、やはりまだなじみが薄い存在でもある。「利用者から見るとちょっと入りにくいかもしれないので、少しでも間口を広げようと思い、中国茶の販売と喫茶のスペースを設けました」と、千葉志保・シャンハイコンフォート事業部マネージャーは説明する。

 実際、店の前に立つと大きく目に飛び込んでくるのは、様々にラッピングされた茶葉が並ぶ販売スペースだ。500円のギフトセットや父の日のプレゼント用パッケージなどがあり、「プチギフトに選んでいただけるような商品の提案を心掛けている」(千葉マネージャー)。また、喫茶コーナーとの間仕切りを兼ねた棚には、茶を入れる容器などがディスプレイされている。一見、雑貨店のようなつくりであり、通りすがりにふとのぞいてみたくなるようなしつらえだ。

 

 喫茶コーナーも、店の外の通路との間を緩やかに仕切り、開放的なつくりとしている。インテリアは、直線を多用したごくシンプルな構成。サービスされるのは中国茶と月餅のセットなど独自のメニューだが、かと言ってベタベタな中国風のサービスやデザインは志向していない。そこが、客の入りやすい雰囲気をもたらすもう一つの要因となっているのだろう。

 

 サービス面では、午後1時まではリフレクソロジーの料金を通常の20%オフに設定したり、販売コーナーでは茶葉を50グラムからの量り売りに対応したりしている。これらも、幅広い層の客を取り込むための配慮だ。

 様々な工夫の結果、元々は20〜30代の女性をメーンターゲットとして想定していたのに対し、開業してみるともっと幅広い客が訪れているという。女性は年配の客もしばしば来店するし、新橋にも近い場所柄もあって、30代半ばから40代くらいのサラリーマンも多い。

 リフレクソロジーに限らず、マッサージやはり・きゅうといった業態は雑居ビルの上階に店を構えている場合が多く、初めて訪れようとする客は少々勇気がいるものだ。その点、雑貨店風の顔をもたせた店作りは、客に対する間口を広げ、敷居を低くするための有効な手法となっていると言えそうだ。

 (守山久子)


■Shanghai Comfort:http://www.shanghai-comfort.com/
東京都中央区銀座5-1先 銀座ファイブ2階(TEL:03-5537-2814)
営業時間 平日・土曜10:00〜22:00(日・祝20:00)、リフレクソロジーは11:00から

商空間デザイン最前線(日経デザイン編)
執筆者:守山 久子

フリーランスライター。
1963年東京都生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。
ゼネコン設計部、日経BP社「日経アーキクチュア」「日経ストアデザイン」「日経アート」「日経デザイン」の各編集部を経て2003年に独立。住宅、建築、デザインの分野を中心に取材・執筆を行う。著書「家族と財産を守る耐震リフォーム」(週刊住宅新聞社)、共著「デザイン・エクセレント・カンパニー賞!」「デザインエクセレントな経営者たち」(ダイヤモンド社)、「巨匠の残像」(日経BP社)。

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