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JAPAN SHOP 2020 | 2020年3月3日(火)〜6日(金) 東京ビッグサイト
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店舗とECデータ融合、良品計画、販促で相乗効果、履歴分析、購買に誘導。

 生活雑貨店「無印良品」を展開する良品計画がビッグデータを使って、実販売とネット販売を融合するオムニチャネル戦略に乗り出した。電子商取引(EC)サイトの購買履歴やスマートフォン(スマホ)向けアプリの利用履歴を大量に収集し、分析。目指すのは最適なタイミングで販促情報を届けて顧客を店やECに誘導したり、ネット広告が購買に結びついたかを明らかにしたりすることだ。

 「いつどんな情報を出せば最も来店につながるか。販促効果を明らかにする基盤システムを構築できた」。こう語るのは良品計画の山際高志WEB事業部システム担当課長だ。

 同社は2013年12月から、ビッグデータを分析するシステムを運用してきた。データ収集元となる顧客向けサービスは2つ。ECサイトの「無印良品ネットストア」と、スマホアプリとして提供する「MUJI passport(ムジパスポート)」だ。

会員は430万人

 無印良品ネットストアは衣料品や家具、日用品、食品など7000点以上の商品を販売。ネット限定の商品販売やキャンペーンなどもある。登録会員数は430万人、毎日11万人が同サイトを訪れる。「MUJI passport」は商品購入に応じて顧客が獲得するポイントの残高や割引クーポンの管理を担う。

 良品計画が取り組んでいるのは、ECサイトとスマホアプリそれぞれの利用履歴データを分析し、「ECと実店舗の間で効果的に送客し合う仕組みを作り上げる」(山際課長)ことだ。

 ECサイトやスマホアプリ、店舗と、様々なチャネル(販売の経路)を使い分ける購買パターンは、消費者に定着しつつある。ECサイトで衣類の価格をチェックした消費者が、サイトではなく店舗で商品を手にとって確かめて店舗で購入する。逆に店頭で見た家具を後日、ECサイトで注文する、といった具合だ。

 ただ、ECサイトと店舗それぞれで、商品ページや広告の閲覧が売り上げに結びついたかどうか、費用対効果を検証することはできていない。ECサイトでどの商品を見た顧客が実際に店舗を訪れて何を買ったのか、逆に店舗を訪れた客がECで何を買ったのかといった、履歴の分析ができていないからだ。

クラウド活用

 新たに構築した分析システムでは、ECサイトの利用履歴や購買履歴、スマホアプリを店舗で起動した履歴、店舗での購買履歴やポイントといったデータをクラウドに保管。必要に応じてこれらを関連づけて分析し、ECサイトの閲覧が来店や購買にどう結びついたかを調べる。

 山際課長は「システムを半年間運用してきて、かなりのデータを蓄積できた」と語る。ECサイトの閲覧履歴は約9億件、スマホアプリの起動履歴は1千数百万件、店舗の購買履歴データは2年分で5億件に上る。

 これらビッグデータの保管と分析には、米トレジャーデータのデータ分析クラウドサービスを採用した。同サービスを使うための初期費用は不要で、月額の利用料金は3000ドルから。同等のシステムを一から構築するのに比べて、システム関連の費用を5分の1程度に抑えられたという。

 現在のところ同社はデータの分析に取り組んでいる最中。結果を本格的に販促策へ反映させるのはこれからだ。それでも、これまでは見えなかった顧客の購買行動が見えてきたという。

 例えば店舗でスマホアプリを起動して来店を通知した客のうち、何らかの商品を購入した客は約30%。これらの客へ24時間以内に販促情報を電子メールで送った場合の反応はどうか、反対に買わなかった層への販促効果はどうか検証していく。山際課長は「来店行動を購買に結びつけるための手がかりを得たい」と意気込みを語る。

(玉置亮太)

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