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消費増税前、駆け込み需要、衣料に波及、冬物「高くても長く使う」。

[ 2013年10月29日 / 日本経済新聞 朝刊 ]

 本格化する冬物衣料商戦。今年は例年になく販売が好調だ。男女ともにシンプルなデザインのビジネス用コートなどの購入が目立つ。消費税率が引き上げられる来シーズン以降を見越し、品ぞろえが豊富なうちにやや高くても長く着られる服を買っておこうとしている。衣料のような生活に身近な商品で駆け込み消費が出始めた。

 27日、高島屋新宿店(東京・渋谷)の紳士服売り場は買い物客の夫婦らでにぎわっていた。

 「今持っているコートはかなり傷んでいる。次はしばらく使いたいのでシンプルなデザインの物を探している」。新宿区に住む会社員の鈴木忍さん(44)はビジネスなどで着るステンカラーのコート(6万円強)などを試着していた。

「近年ない出足」

 今月は台風の影響で買い物に出掛けにくい天候の日が多かったが、26日までの同店のビジネス用コートの売上高は前年同期比で3割増えた。

 近鉄百貨店の「あべのハルカス近鉄本店」(大阪市)でも紳士向けジャケット(5万円台後半から6万円台後半)の売り上げが前年同期比10%増。青山商事では高価格ブランド「ヒルトン」のスーツの販売数量が5割増。1着8万円程度ながら30〜40代が購入する。

 「冬物の出足は近年にない良さ。売り場では『消費増税があるので早めに購入を考えたい』という来店客の声が出ている」(高島屋)。中央区に住む30代の男性会社員は「のんびりしていると売り場から欲しい商品がなくなる」と、今月下旬に都内の百貨店で5万円弱のコートを購入した。

 婦人服でも同様の動きが出ている。そごう・西武では10月の婦人向けのトレンチコートの売上高が26日までで前年同期比で1割増。11万〜15万円台の商品が売れ筋だ。

買い控えの反動

 北区に住む女性会社員(28)は今月、約10万円のロングコートを購入した。「3〜4年くらい使えるいい物が欲しかったが、きっかけがなかった。消費増税が決まったのを機に奮発した」と話す。電通総研研究主幹の平井信之氏は「景況感の改善やボーナスの増加をきっかけに、買い控えてきた商品を購入する消費が起きやすくなっている。消費増税がそうした消費の背中を押している」と指摘する。

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