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ニトリ、品質管理で成果、重大事故4年ゼロ、製造業の手法、安全性確保――「縁の下」海外展開で責任大。

[ 2014年1月22日 / 日経MJ(流通新聞) ]

 ニトリホールディングスが品質管理で成果を上げ始めた。製造業の品質管理手法を導入し、事故の際には消費者への連絡体制も整えた。リコール(重大事故)ゼロは4年に伸びている。客単価の上昇を目指す上でのカギを握る品質向上への取り組みを点検した。

 「うーーー」。昨年末、ニトリ東京本部の一室で社員がベッドに大きな力を加えていた。ベッドの安全を点検するための実験だ。東京本部では約300平方メートルの品質管理室に、家具や家電などの耐久性を試験する機器などを導入。同社が扱う全商品はこの安全点検を経なければ発売できない。

 品質管理を担うのは、ホンダの生産事業部長などを歴任した杉山清専務執行役員。ホンダ出身の社員約10人とニトリ生え抜き社員らが日々商品をチェックしている。過去のトラブル情報だけでなく、他社のリコール情報も解析して様々な観点から安全性を検証する。

 ニトリが品質管理を本格化したのは2007年。中国製土鍋のリコールがきっかけだった。ベトナム、インドネシアの自社工場のほか、中国を中心に100社前後の協力工場で品質を高める取り組みを導入してきた。管理が行き届いている工場への見学を取引先に促すほか、取引先に品質管理の取り組みを競ってもらう「ニトリワールドサークル」も開催している。

 昨年には家電や電動家具80品目以上に、事故が発生した際に該当商品をどの消費者が購入したか、材料をどの企業が生産したかなどを追跡できるトレーサビリティー制度を取り入れた。09年から始めた「ニトリカード」の購買履歴も生かし、部品メーカーから消費者まで、情報を一気通貫で捉えることが可能になった。

 こうした仕組みを生かすことで、事故発生時には使用中止の案内も連絡できる。重大事故の際は「社内の各部と連携し速やかに回収を決められる」(杉山専務執行役員)と社内体制も整備が進む。同社は経済産業省の13年度商務流通保安審議官賞を受賞。重大事故は4年間ゼロを更新中だ。

 今後の課題は海外展開に伴う生産管理。07年の台湾に続き13年には米国に進出した。今年にも中国へ出る見通しで、製品のサイズや種類は広がり、品質管理も複雑になる。その中で「家具の専門店」としての役割を果たすには、これまでの低価格路線によるイメージを払拭する必要もある。品質向上はその切り札でもあり「縁の下」としての品質管理の責任は重くなっている。(松本正伸)

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