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再編ドミノ(4)ドラッグ店、業態超える――食品・調剤、新市場へ挑む。

[ 2015年3月23日 / 日経MJ(流通新聞) ]

 半径350メートル以内の住民を取り込め――。こう号令を出すのはドラッグストア大手のツルハホールディングス(HD)の堀川政司社長。1月、ローソンと提携し、コンビニエンスストア機能を融合させた新業態1号店を仙台市に開業した。

 狭い商圏での店舗で利益を上げるために週1回程度の来店にとどまるドラッグストアの客を毎日呼ぶ店をどう作るか。行き着いたのがコンビニとの協業だった。

 1号店の店舗面積は約280平方メートルと標準店の3分の1程度だが、コンビニで扱う弁当など約3千品に加えドラッグ店の大衆薬など約2600品を販売する。従来の成功モデルに安住せず、業態を超えて新市場を開拓しなければ勝ち残れないという危機感がある。

 昨春の消費増税後、再編が最も進んだ業界の1つがドラッグストアだ。

 医薬品や化粧品などを低価格で売り、高齢化も追い風に他業態から顧客を奪い「勝ち組」とされたが、伸びしろは小さくなった。都市部の店舗はオーバーストア状態が続き、一般用医薬品のネット販売解禁で異業種が相次ぎ攻め込んでくる。

 業界の停滞は数字が示す。2014年度のドラッグストア市場規模は6兆679億円で前期からの伸び率は1%と過去最低。店舗数も1万8千店と飽和感は強まる。イオンがウエルシアホールディングス(HD)など傘下の4社を統合。売り上げ規模では最大手のマツモトキヨシホールディングスを上回ることになり再編を誘発する。

 焦点はマツキヨHDの動向だ。昨年末、千葉県野田市内の既存店を改装しエブリデー・ロープライス(EDLP=毎日安売り)の新型店を出した。チラシをなくすなどして販管費を抑え、メーカー品の販売価格を通常店よりも1〜2割安くし食料品の取り扱いも増やした。

 空白地も埋める。北陸新幹線開業の14日に富山に北陸戦略店を開業。視察した事業会社マツモトキヨシの成田一夫社長は「首都圏で店舗網を拡大してきた頃のような原点に返る」と述べ、地場企業が強い北陸を攻める。

 急増するシニア人口をにらみ調剤薬局併設型も相次ぐ。

 ウエルシアHDは現在全店の70%弱にとどまる同型店舗の比率を16年2月期までに80%程度まで伸ばす考え。病院などから出された処方箋をもとに医療用医薬品を提供する調剤薬局は「他店との差別化につながる」(水野秀晴社長)。健康相談などを受け付ける地域包括ケア拠点とすることも視野に入れる。

 食品や調剤薬局など他業態に進出するドラッグストアに対し、コンビニやスーパーは大衆薬などの取り扱いを増やし対抗する。独力で自らの強みを生かした出店を進めるか。M&Aによる規模拡大に動くか。突出したトップ企業がないドラッグストア業界では業態や地域を超えた再編の芽は至る所で育っている。

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