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16年度、専門店調査――メガネスーパー、施設訪問、目をケア。

[ 2017年7月12日 / 日経MJ(流通新聞) ]

 目の健康寿命を延ばす「アイケア」を打ち出し、高付加価値の眼鏡の販売につなげる――。こんな戦略でシニアの顧客を獲得しているのが、売上高伸び率(調査時点の速報値)で9位のメガネスーパーだ。低価格眼鏡の存在感が増す今だからこそ、きめ細かいサービスで勝負する。その具体策の1つが、客が1人でも出向く訪問販売だ。

 「眼鏡のレンズがすれてますね。見え方を測り直してみましょうか」。9日午前、有料老人ホーム「グッドタイムリビングセンター南」(横浜市)をメガネスーパーのスタッフ3人が訪れた。

 45平方メートルの談話室にサングラスや眼鏡、補聴器など約150種がズラリ。入居する高齢者20人ほどが訪れ、フレームや補聴器調整のために順番待ちになる場面もあった。「外出する機会が少ないので助かりました」と眼鏡の調整をしに来た阿部美恵さん(82)。

 メガネスーパーはかつて低価格路線に走り、赤字が続いたことがある。その際にいったん、訪問販売をやめていた。だが国内買収ファンド大手のアドバンテッジパートナーズによる出資で経営再建する中で、高価格眼鏡を販売するための手段として復活。16年には「外商グループ」として組織化して本腰を入れた。

 眼鏡に関する知識や技術など、社員教育に定評がある同社。出張しても実店舗と遜色ない検査ができると自負する。訪問販売の売上高が全体に占める割合はまだ数%だが、16年度は前の期に比べ3・3倍に増加。件数も約4倍に増えた。

 「訪問販売のニーズがあるなら店を閉めても構わない」と星崎尚彦社長は言い切る。メガネスーパー全334店が訪問販売の前線基地だ。介護施設や老人ホームだけでなく、お客1人のために自宅にも出張する。「街の眼鏡屋さん」が相次ぎ廃業し、眼鏡店までの距離が遠くなったとの声も多い。こうした「来店難民」に商機があるとみる。

 メガネスーパーは14年に目の健康寿命を延ばす「アイケアカンパニー」を宣言。高付加価値の眼鏡販売へと舵(かじ)を切り、単価が上昇した。訪問販売の単価も4万円超と、全体の平均よりも1万円程度高い。低価格の眼鏡チェーンが台頭する今だからこそ、安さの網からこぼれ落ちるニーズを取りに行く。

 たとえ眼鏡のフレーム調整だけでも駆けつけるという姿勢が顧客の信頼感を生む。手間をいとわず顧客との接点をつくる訪問販売は、復活したメガネスーパーを象徴するサービスといえる。

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