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第45回日本の専門店調査――安さ重視再び、カジュアル衣料、値下げ+出店増で増収確保。

[ 2017年7月12日 / 日経MJ(流通新聞) ]

 2016年度は賃上げによる消費環境の改善に減速感が漂う年となった。カジュアル衣料ではユニクロが、2年連続の値上げから一転して一部商品を値下げ。再び「安さ」を重視する傾向を受け、各社も値下げに踏み切った。家電製品などではインバウンド(訪日外国人)需要も失速。国内市場が停滞するなか、海外展開に目を向ける企業が増えている。

 カジュアル衣料の総売上高は2・4%増となり、13年連続で増収だった。各社が値上げに動いた15年度の7・3%増より伸び率は鈍化。値下げの影響を販売数量の増加やセールの抑制、新規出店などで補い、プラスは確保した。

 首位はファーストリテイリング傘下のユニクロ。15年まで2年連続で値上げをし、客数減少に苦しんだ。一転して16年2月に一部商品を値下げすると、国内既存店の客数は前年を超える月が出始めた。週末セールの対象商品や値下げ幅抑制で売上高自体も伸ばした。

 2位は「グローバルワーク」「ニコアンド」などを展開するアダストリアが入った。主力ブランドが堅調だったことに加え、「ベイフロー」など比較的新しいブランドも伸びた。4位のライトオンは展開を広げたベーシックな商品などが売上高を押し上げた。

 一方、3位のユナイテッドアローズは苦戦した。個性の強い「とがった」商品が消費者をひきつけてきたが、規模の拡大で店舗や商品の同質化が進み、強みを打ち出しにくくなった。足元では改めて個性を打ち出す店作りなどを進め、インターネット通販の好調もあって回復しつつある。

 調査では価格に対する消費者の意識も聞いた。カジュアル衣料では53%が「低価格志向が強まっている」と回答。全体の30%を大きく上回った。これに対応し、16年度の価格政策は「従来よりも販売価格を引き下げた」という会社が29%。価格を引き上げたという趣旨の回答はゼロだった。

 17年度も節約志向の高まりは続くとみる会社が多い。「コスト上昇分を転嫁し販売価格を引き上げる」との回答は6%にとどまり、「従来よりも販売価格を引き下げる」「従来通りの販売価格を維持する」という回答が大半を占めた。

 54%増と伸びが目立つのは、セレクトショップ「ステュディオス」を運営するTOKYO BASEだ。原価率を高く設定し、品質の良さを前面に押し出して「少し高くても良いモノを買いたい」という層から強い支持を得ている。ネット販売比率も30%に達する。

 再び安さに消費者の注目が移る中でも、TOKYO BASEのように独自の成長戦略で成功している会社もある。消費環境の急激な改善が見込めないなか、各社の模索が続いている。

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